9月8日17時42分配信 医療介護CBニュース
65歳以上の高齢者が家庭内の事故で死亡した原因で最も多かったのは「熱傷」(12件)であることが、国民生活センターの調べで分かった。「熱傷」のうち6件は、風呂の湯によるやけど、5件は着衣への着火、1件は電気カーペットでの低温やけどが腎不全の合併症を引き起こしたことが原因だった。
国民生活センターでは、全国20か所に危害情報を収集する協力病院を設け、商品や設備などによってけがをした人の事故情報を収集し、その情報をデータベース化して危害情報システムとして生かしている。
2003年5月、協力病院のデータから「危害情報からみた高齢者の家庭内事故」をまとめて発表したが、今回あらためて03年度以降の5年間の情報を集計し、高齢者の家庭内事故について分析した。
それによると、やけどは死亡事故16件中12件、4分の3を占めている。同センターでは、「やかんや鍋、天ぷら油など調理中の事故の場合は比較的軽いものが多いが、浴室でのやけどは死亡事故につながるような重大なものが多くなる」と指摘している。
やけどによる死亡12件のうち、6件は「浴槽で熱い湯に入った」、5件は「着衣着火」、1件は「低温やけどから合併症を起こした」が原因だった。
同センターでは、「浴室では、浴槽で熱い湯に浸かってしまったことによるやけどのほか、転倒や突然死などの事故も起きている。浴室は滑りやすい場所であるため転倒事故が多く、高齢者にとって注意が必要な場所」としている。