バンクーバー冬季五輪のフィギュアスケート女子は24日(日本時間25日)、メダルの決まるフリーを翌日に控え、試合会場のパシフィックコロシアムで公式練習が行われた。前日のショートプログラム(SP)で2位の浅田真央(中京大)はトリプルアクセル(3回転半)に7度挑戦。1度パンク(空中で体勢が整わず1回転や2回転になってしまうこと)した他はすべて成功させ、好調ぶりを示した。
浅田が入念に練習していたのは、3回転フリップ-2回転ループ-2回転ループの3連続ジャンプ。3回転フリップは今季ややミスが目立つうえ、この3連続ジャンプは助走中に両手を上へ広げ、右足を後方に上げたポーズを取る。入り方が跳びにくいだけに、大一番のフリーに向けて何度も確認を重ねていた。
SPで首位に立った金妍児(キム・ヨナ、韓国)は、3-3回転連続ジャンプを3回決め、動きに切れがあったが、3回転フリップ、3回転ルッツで1度ずつ転倒する場面もあり、完ぺきな内容ではなかった。SP3位の地元ジョアニー・ロシェット(カナダ)は、シークエンス付きの3-3回転連続ジャンプを決めるなど好調だったが、3回転フリップで1度転倒した。
SP4位の安藤美姫(トヨタ自動車)は得意の3回転サルコウで着氷が乱れる場面が重なり、内容は今ひとつ。3-3回転連続には挑まなかった。SP11位の鈴木明子(邦和スポーツランド)は曲をかけた時に二つのシークエンス付き連続ジャンプでパンクするなど、調子が上がらない様子だった。【来住哲司】
○…浅田真央の姉でフィギュアスケーターの舞さんが24日、公式練習が行われたパシフィックコロシアムに姿を見せた。妹のSPの演技を見て「今季はSPで失敗が多かったが、最後にシーズンベストを出せて、真央の一番いい笑顔を見られてよかった」と喜んだ。応援のためカナダ入りしたものの、「怖くて生で観戦できない」ため、前日はテレビ観戦したという。浅田からSP前に連絡はなかったといい、「元気がなかったり不安があったりすると、向こうから電話してくるが、今回はない。選手村の生活を楽しめていると思う」と語った。