京都市子ども保健医療相談・事故防止センター「京(みやこ)あんしんこども館」(京都市中京区)が、市内の1歳未満の乳児の事故に関する調査を行ったところ、最も多い事故はベッドなどからの転落で、あまり体を動かさないと思われている乳児期早期(0~3か月)でも10件以上の報告例があることがわかった。同センターは「乳児の事故はどこでも発生し、ささいなことも原因となりうる。保護者は細心の注意を」と呼び掛けている。
調査は、市内で2007年度に生まれた乳児の保護者を対象に実施。327人からの回答を分析した。
その結果、64・2%(210人)が軽微なものも含め、「事故が起きた」と回答。複数回数を挙げた回答もあり、発生件数は計350件だった。
内訳で最多だったのは「転落」で46・3%(162件)。それらを発生場所でみると、1位は「ベッド」で37・7%(61件)、2位は「いす」で19・1%(31件)を占めていた。
350件の事故に対し、転落以外では「誤飲」14・6%(51件)、「転倒」12%(42件)、「やけど」5・1%(18件)などとなっていた。
「誤飲」は、食べ物やシール、あめの包み紙、ティッシュ、たばこなどの報告があり、少数では鉛筆やボールペンでのどを突くなどの事例もみられた。
事故事例を月齢別に分けると、ハイハイやつかまり立ちなど行動範囲が広がる「8~11か月」が62%(217件)と目立ち、次いで「4~7か月」で26・6%(93件)。比較的安全と考えられがちな「0~3か月」でも6・6%(23件)あり、このうち半数以上は「転落」だった。
また、「添い寝中、毛布と親の腕が顔にかぶさり、子どもの顔が真っ赤になった」(月齢3か月)、「スタンドの電気コードが首に巻きついた」(同10か月)など窒息の恐れのケースが10件、「風呂に落ちた(同8か月など)」とする溺水(できすい)の恐れのケースは4件、報告された。
同館の沢田淳センター長は「ベビーベッドには必ず柵を付け、乳児の手の届くところに物を置かないことが大切。『少しくらいなら大丈夫』という油断は禁物です」と話している。
同館では家庭内で起こりやすい事故と防止策などを説明するモデルルームを展示している。問い合わせは同館(075・231・8002)へ。
(2009年11月22日 読売新聞)