高齢者の街なか居住は精神的な健康状態に好影響

 高齢者の商業系地区への転居は、精神的な健康状態に好影響を与えるという研究結果を、国土交通政策研究所がまとめた。高齢者が精神的な健康を良好に保ちやすい地域は、「商業系地区で、買い物や通院・文化施設などにも徒歩や公共交通ですぐに行くことができ、活気が感じられる地区」だという。
 調査は「転居後2年未満の高齢者」(転居群)252人と「転居して10年以上経過した高齢者・転居していない高齢者」(対照群)1227人を対象に、住宅や住環境の満足度、精神的健康状態などを尋ねた。
 それによると、転居群は対照群に比べ、「住宅の仕様」や「まちの安全性・環境」への満足度が高いものの、「地域との交流」への満足度は低く、孤独感が高かった。
 精神的な健康については、住居系の閑静な地区に比べて、商業系で交通や店舗などの生活利便性が高い地域への転居が良い影響を与えることが判明。ただし、商業系地区であっても、工場や倉庫、空き店舗、未利用地などが多い場合は精神的健康が低かったという。
 再開発の場合は地区の整備状況によって精神的な健康状態が変化し、低・未利用地が少なくまちの成熟度が高い地区ほど、住環境満足度が高まり、精神的な健康状態も良好だった。

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