転倒:高温湯船に誤り、女性が重傷--伊豆の国・温泉旅館 /静岡

11月17日12時1分配信 毎日新聞

 16日午前3時ごろ、伊豆の国市古奈の温泉旅館で、風呂に入ろうとした同市内の飲食業の女性(55)が、高温の湯が入った湯船に誤って転倒、全身やけどの重傷を負った。病院に運ばれ、命に別条はないという。大仁署は、湯が高温になった原因などを調べている。
 調べでは、女性は同業の男女計6人で、風呂にはいるため知人が働いている同旅館に来館。女性は足を入れようとして湯が高温であることに気付いたが、バランスを崩して転倒して落ちたらしい。
 風呂は通常、ボイラーなどの装置で自動的に湯温が40度前後になるように設定されているが、同日午前5時ごろに測ると約49度あったという。【竹地広憲】

真央自己最悪V逸で緊急合宿/フィギュア

11月17日10時5分配信 日刊スポーツ

<フィギュアスケート・GPシリーズ第4戦:フランス杯>◇2日目◇15日◇パリ
 【パリ15日=高田文太】浅田真央(18=中京大中京高)の今季初戦は、シニア転向後、自己ワーストとなる総合167・59点で2位に終わった。ショートプログラム(SP)2位で臨んだフリーでジャンプのミスが相次ぎ、優勝したロシェット(カナダ)と13・14点差となる109・47点の2位。次戦のNHK杯(27日開幕、東京・代々木第1体育館)に向けて、当初の帰国予定を変更してロシアに渡り、タラソワ・コーチのもとで緊急合宿に入ることになった。
 「世界女王」の看板が、重圧となっているのか。浅田は3回転半-2回転の連続ジャンプの予定だった冒頭、後半の2回転をミスを恐れて回避した。次も予定より1回転少ない2回転ループ。後半に入ってもジャンプでミスを連発し、3回転サルコーの予定だったジャンプは、2回転も少なかった上に転倒した。全7つのうち4つのジャンプが予定より回転数が少なかった。演技構成の基礎点は、下位グループと同等の49・69点まで落ちた。スピンやステップで盛り返しても、自己ワースト得点となることは必然だった。
 演技後は必死に涙をこらえながら「100%には程遠い出来だった」と、唇をかんだ。前日のSPでもジャンプにミスが相次ぎ「フリーではもっと強気でいきたい」と話していたが、修正できなかった。SP、フリーで、少なくとも一方は納得の演技を続けてきた浅田にとってはショックな結果。「今大会の収穫は、ジャンプへの課題を強く感じることができたこと」と話すのが精いっぱいだった。
 うなだれる浅田に、タラソワ・コーチは「今から練習しましょう」と声をかけた。日本への帰国を延期して次戦NHK杯まで約1週間、ロシアで緊急合宿に入る。ジャンプの強化と迷いや重圧を忘れさせることが狙いだ。同コーチは「真央の初戦が良くないのは毎年のこと。問題ないし、順調すぎたら(記事として)書くこともなくなるでしょ」と、復調を信じていた。
 唯一の救いは、今季から採点上の基礎点が上がった3回転半に好感触を得たこと。「100%ではなかったけど、やりきることはできた。(3回転半は)自分の大きな武器になる」。次戦を安全策で乗り切っても、12月のGPファイナル進出の可能性は十分だが「毎年新たな挑戦をするのが自分」。次戦のNHK杯では、今回は回避した国際大会初のフリーで2度の3回転半に挑むつもりだ。

小塚2位!GPファイナル初進出

11月16日7時2分配信 スポーツニッポン

 フィギュアスケートのGPシリーズ第4戦フランス杯最終日(15日、パリ)は男子フリーを行い、ショートプログラム(SP)2位の小塚崇彦(19=トヨタ自動車)はフリーも2位の合計230・78点で2位だった。第1戦のスケートアメリカに続く優勝を狙ったが、最初の4回転ジャンプで転倒。逆転はならなかったものの、12月のGPファイナル(韓国・高陽)初進出は決めた。第2戦のスケートカナダの覇者パトリック・チャン(17=カナダ)がSP、フリーともに1位の238・09点で優勝した。

 小塚の成長を示す演技だった。果敢に挑んだ4回転は転倒したが、その他のジャンプはすべて成功。完成度の高さでジャッジから加点も引き出した。表現力を示す5項目の得点も、4つが高評価の7点台。「スケートアメリカに続いて(大崩れせずに)できたのは自信になる」。演技を終えると小さくガッツポーズを作って笑った。

 2位だったSPの演技で転倒し、左でん部を強打。「階段の3段上から落ちたみたい」という痛みだったが、影響を感じさせなかった。「本当はすごく緊張してるんですよね。食事してるときも手がガチガチで…」。フリー直前は冗談半分に話していたが、堂々たる滑りでGPファイナル初進出を引き寄せた。

 GP初制覇を果たしたスケートアメリカ後、国際連盟の関係者らから、表現力を示す演技点について「もっと点数を出すべきだ」との声も出たという。海外メディアは「演技を見て、なぜ小塚がアメリカで優勝できたか分かった」と評価した。流れるようなスケートが、世界の一流として認められてきている。

建滴「賃貸住宅の敷金紛争」~企業倫理に厳しい目

「お父さんの会社、コンプライアンスは大丈夫?」「え?ああ、ちゃんと付いてるよ」
 娘の唐突な質問に「知らぬ」とも言えず、うろたえながら場当たりに答える父親。テレビCMの一場面だ。「コンプライアンスへの対応が企業の将来を左右する」。CMではそう訴えていた。
 その「法令順守」に関連して、消費者にとってまさに企業の無知では済まされない問題が、身近な「住」の中で数多く起きている。民間賃貸住宅の敷金をめぐる争いだ。
 ある友人が先月、民間の賃貸マンションを退去した際、管理会社から敷金を「原状回復の修繕費として清算する」と通知されたという。彼は「納得がいかない。法的手段も辞さない」と怒りが収まらない様子だった。
 国民生活センターによると、2007年度に同センターと地方消費生活センターに寄せられた敷金のトラブルの相談件数は1万3779件。近年、年間1万3000~1万5000件の間で推移している。食品メーカーなどの不祥事で信頼が揺らいでいる「食品の表示・広告」に関する相談件数は6015件。単純に「食」の2倍以上だ。
 先の友人の賃貸契約書には特約があり、敷金の「使い道」として①賃料の未払い②畳、ふすま、障子の張り替えを含む総合クリーニング③原状回復費用―の3項目が記載されていた。
 1998年3月に国土交通省などがまとめた賃貸住宅の「原状回復とトラブルをめぐるガイドライン」によると、借り主側に経年劣化や通常損耗に対する修繕義務はなく、故意による破損を除いて、敷金は全額返還すべきだとしている。特に、畳・ふすまの張り替えやハウスクリーニングは貸主の100%負担が妥当と明記。それをあえて特約に入れる行為はフェアではない。
 日本司法支援センター「法テラス」にも照会したところ、「仮に特約を設けて借り主に原状回復義務の負担を課したとしても、消費者契約法により、その条項が無効となる事案が多い」という。
 2006年6月、「国民の住生活の安定確保と向上」を目指した住生活基本法が施行。「住宅の取引の適正化」「流通円滑化のための住宅市場の環境整備」という政策目標は、何も新築・中古住宅に限ったものではない。
 こうしたトラブルを防止し、国民の財産を守るためにも、行政にはガイドラインに基づいた賃貸借契約が結ばれるよう、実効性のある対策を打ち出してもらいたい。実際、東京都のように「賃貸住宅紛争防止条例」を制定している自治体もある。
 管理会社側も消費者を甘く見てはいけない。契約上のトラブルが多発すれば、オーナーを含めエンドユーザーは離れていく。企業の法令順守に対する姿勢に厳しい目が向けられていることをしっかりと自覚すべきだ。

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大人気ケータイ小説がDVDに 桐谷美玲&賀来賢人、極寒の撮影をゲームで乗り切る

11月15日17時45分配信 cinemacafe.net

あの「恋空」を大ブレイクさせた日本最大級のモバイルコミュニティ「魔法のiらんど」の中の動画サービスにて配信されるケータイドラマがこのたび、「魔法のiらんどDVD」としてレーベル化される。その第1弾として12月19日(金)にリリースされるのは、先述の「恋空」やこの12月に映画と連続ドラマが始まる「赤い糸」に続き、女子高生を中心に絶大な支持を受けている「teddy bear」。これを記念して東京、大阪の劇場で期間限定で本作が公開されてきたが、最終日となる11月14日(金)、主演の桐谷美玲、賀来賢人による舞台挨拶が行われた。

原作のケータイ小説を、本作のオファーが来てから読んだという桐谷さんは「感動しました! 普段、恥ずかしくて泣いたりすることはあまりないのですが、読み終わったら涙が流れてきました。こんな素敵な恋が出来たらいいなと思いました」と感想を語った。賀来さんも「普段はあまり活字を読む機会がない上に、恋愛小説は照れくさくて読まないんですが、読み始めたらどんどんハマッてしまいました」と絶賛。賀来さんが、自身が演じた成也について「成也はイケメンで男の中の男という感じで、僕と真逆のイメージ。これまでそういう役をやったことがなかったので不安でした」と語ると、桐谷さんは「(賀来さんも)イケメンだよ(笑)!」と優しくフォロー。これに賀来さんは「ありがとう(笑)。演じきっていまは満足しています」と笑顔で語った。

撮影は冬に行われたということで、かなり大変だった様子。桐谷さんは「撮影初日の気温はマイナス7度で、春という設定だったので衣裳が半袖に短いパンツだったんです…。『寒い』と表情に出したらダメなので、賀来くんと2人で“『寒い』と言っちゃいけないゲーム”をしてテンションを上げて乗り切りました」とふり返り、賀来さんは「床が凍って滑りやすくなっていて、『気をつけて!』と言っているにもかかわらず、衣裳さんが5回も転んでくれました(笑)」と撮影のエピソードを語ってくれた。

物語に因んで「初デートで行ってみたい場所は?」という質問に、賀来さんは「荒川の土手がいいです。静かなところでまったりとフリスビーなど出来れば」と年に似合わない回答で会場の笑いを誘った。一方の桐谷さんは「私は千葉県出身でディズニーランドが大好きなので、恋人を連れて行って、私の知るディズニーランド攻略法を伝授してあげたいです! でも都市伝説で“初デートにディズニーランドに行くと別れる”って言われているので迷ってるんです。誰か一緒に行ってください!」と客席に呼びかけた。

この日の舞台挨拶には歌手のリサハリムもサプライズで登場し、本作の主題歌「切ないくらい、愛してた。」を熱唱。リサさんは「原作の小説の読者の多くが10代の女の子だと聞いて、シンプルに表現したいと思いました。『好きだ』とストレートに告白するような気持ちで書きました」と曲に込めた思いを明かし「劇中で桐谷さんと賀来さんがこの曲を歌うシーンがあるのですが、すごく光栄でした」と嬉しそうな表情を見せた。

最後に桐谷さんは「DVDが12月19日に発売されますが、これを買って劇中の2人のような素敵なクリスマスを過ごしてください」とアピールし、舞台挨拶は幕を閉じた。

「teddy bear」
発売元:アスミック
販売元:角川エンタテインメント
価格:2,940円(税込)
発売日:12月19日(金)
公式サイト:http://ip.tosp.co.jp/p.asp?I=dvd_teddy

帝国データバンク、10月の企業倒産集計結果、建設業は05年4月以降最多

 帝国データバンクが11日に発表した10月の全国企業倒産集計によると、建設業の倒産は前年同月比4・9%増の324件で、集計基準を変更した2005年4月以降では、7月と並んで最も多かった。同社では「受注減や資材価格の高騰に加え、不動産業者の倒産に伴う焦げ付きが追い打ちをかけた」とみている。
 7業種全体の倒産件数は1231件で、前月と比べて9・7%増。前年同月比では13・7%増えた。すべての業種で前年同月と比べ増加し、製造業(176件)、小売業(231件)、サービス業(203件)の3業種は05年4月以降で最も多かった。建設業も最多タイ。
 負債総額は9790億1500万円で、前年同月と比べて121・7%増加した。05年4月以降では2番目の高水準。
 主因別の内訳では、不況型の倒産が988件で全体の80・3%を占めた。このうち、「販売不振」が897件、「業績不振」が57件、「売掛金回収難」が26件となっている。
 地域別に見ると9地域中、近畿(304件、前年同月比4・1%減)と東北(83件、前年同月と同数)を除く7地域で前年同月を上回った。特に北陸(48件)、中部(135件)、九州(118件)の3地域は05年4月以降で最多。関東も前年同月と比べて31・2%増加し、高水準が続いている。

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もうなんとも言いがたいですね。

政治家の皆様何とかしてください。

女優・大原麗子さん、都内自宅で転倒 右手首など骨折 ギラン・バレー症候群が原因か

女優の大原麗子さん(62)が、都内の自宅で転倒し、右手首を骨折するなどの重傷を負っていたことがわかった。
女優の大原麗子さんは、11月11日の深夜、東京都内の自宅で、ガレージにものを取りに行こうとした際、足元がふらついて転倒、右手首を骨折し、ひざを打撲するなどの重傷を負った。
所属事務所によると、大原さんは、運動神経に障害が起き、手足などに力が入らなくなる「ギラン・バレー症候群」という難病にかかっていて、この病気が原因で転倒したものとみられている。

[14日14時48分更新]

Fuji News Network.

女王の幕開け、好スタートなるか=浅田真、注目の今季初戦-仏杯フィギュア

11月14日10時0分配信 時事通信

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、フランス杯は14日、パリで開幕し、昨季の世界女王、浅田真央(愛知・中京大中京高)が注目の今季初戦に臨む。
 昨季は決して平たんな道程ではなかった。シーズン序盤はジャンプに苦しみ、さらにコーチとの決別、故障、世界選手権でも自由演技中に大転倒があった。精神的な成長が最後に大輪の花を咲かせたが、「今季は、世界選手権までけがもなく、万全の状態で臨めるようにしたい」。
 環境は整った。新たにトリノ五輪金メダリストの荒川静香らを育てたタチアナ・タラソワ・コーチに師事し、日本とロシアを行き来して、今季に備えてきた。ルール変更でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の基礎点が上がったことを味方に、看板技を自由演技に2度組み込むプログラムも温めている。
 14日に行われるショートプログラム(SP)の曲は「月の光」。静かに流れながらも、終盤に力強さが訪れる。「曲に負けないように、きっちり滑りたいと思う」
 バンクーバー五輪の前年シーズン。本番でライバルになる同じ歳の金妍児(韓国)は既にGP2戦2勝でファイナル進出を決めている。「この試合はファイナルに向けた1戦目なので、確実に順位を取らないといけない」。華麗な銀盤の戦いが幕を開けようとしている。 

国交省調べ 地方自治体の約8割が道路構造令の柔軟規定を詳しく知らず

 地域の実情に応じた道路整備を可能とする、道路構造令の柔軟規定を地方自治体の約8割が詳しく知らず、半数以上はこの規定をほとんど活用していなかった―。国土交通省がこんな調査結果を11日の地方分権改革推進委員会に報告した。都道府県の約9割が「よく知っている」と回答したのに対し、市区町村は約2割にとどまるなど、認識の度合いに大きな差も見られたという。
 道路構造令は、道路の安全性や円滑性を確保する観点から最小限保持すべき基準を定めた政令で、1970年に制定された。地域ごとの状況に対応するため、多くの柔軟規定を設けている。
 アンケート調査は全地方自治体(1857団体)を対象に9月から10月にかけて実施し、道路構造令の柔軟規定の認知度や適用頻度、道路構造令が支障となった事例などを尋ねた。
 それによると、柔軟規定を「よく知っている」という回答は21%にとどまった。これに対し61%は「存在は知っているが詳細は知らない」、18%は「ほとんど知らない」と答えた。適用状況については、「適用している(よく知っている)」が20%、「適用している(詳細は知らない)」が27%に対し、「ほとんど適用していない」が54%を占めた。
 規定そのものや運用について見直すべき点を尋ねたところ、規定適用の可否や言葉の解釈で判断がつかないとし、事例集や判断基準の明確化などを求める声が寄せられたという。
 国交省では調査結果を踏まえ、小規模道路や歩道・自転車歩行者道などに関する規定の在り方を検討するとともに、事例の共有や指針の策定、技術的サポート体制の確立などに取り組んでいく方針だ。

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道路だけでは無く、マンホールの維持管理マニュアルに基づいた管理を国交省から平成18年に通達されているにもかかわらず、実施しているのはわずかな自治体だけで、おおかたの市町村はその存在すら知らないのが現状です。

もう少し真摯に取り組んでいただきたいものです。

介護施設で老いを考えた:/15 特養ホーム/6 /宮崎

11月13日16時1分配信 毎日新聞

 ◇認知症と寝たきり、どちらがましか
 「もし神様から『長生きさせてやる代わりに、寝たきりか認知症のどちらかを選べ』と言われたらどちらを選びますか」
 これまで取材で出会った介護職員に私はこんな質問を繰り返してきた。
 この問いは、介護現場について多くの著作のある三好春樹氏の本に登場する。そして大多数の介護職員は「私は認知症の方がいい」と答える。
 宮崎市高岡町の特別養護老人ホーム「裕生園」の甲斐ミツ子介護主任(61)も同じだった。「認知症の方が本人の苦しみは少ないように思えるんです。不安から取り乱したり、異常な行動もあります。しかし子供のように純粋な面もある。笑顔もすばらしい。周囲の対応次第で気持ちを楽にしてあげられる可能性があるんです」。介護職員の努力次第で苦痛が軽減できるから「認知症の方がいい」と言うのである。
 ところが寝たきりは事情が違う。介護職員の努力で本人の苦痛を軽減させることは難しい。「体が動かせないため、あちこちが凝ったり痛んだりする。床ずれは防止できても、胎児のように手足を縮める格好に体が固まっていく『拘縮(こうしゅく)』は止められない。寝たきりの苦痛に対する介護の無力さを痛感します。少しでも心地よく過ごしてもらうよう気持ちを慰めるしかありません」
 しかし三好春樹氏のこの設問には意外なオチがある。認知症と寝たきりのどちらを選んでも、3年後には結局もう一方の症状が出てきて同じ結果になると言うのだ。
 認知症を選んだ場合を考えてみる。認知症老人が、徘徊(はいかい)を始めれば、家族や施設はそれを防ごうとする。施設の外に出られなくなれば次第に足腰は弱る。転倒して大たい骨を折れば筋肉も衰弱し、次第に寝たきりに近づく。アルツハイマー性の認知症の場合、脳の変性によって筋肉への命令ができなくなり、結局は寝たきりになる。
 逆に寝たきりを選んだ場合はどうか。終日ベッドから出られないから、じっと天井を見て過ごすしかない。何の変化もない画一的な時間が延々と続くと、脳は刺激を求めて幻覚を見せるようになる。「今」がいつなのか次第に分からなくなってくる。話し相手がいないと、人は独り言を言い始める。こうして結局、寝たきりのまま認知症が進んでいく。
 介護現場での職員の努力は、この二つがセットになるのをなるべく遅らせることを目指している。しかし、人が老い、衰えるのは自然の流れだ。いずれにせよ逃げ場はない。【大島透】