11月14日10時0分配信 時事通信
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、フランス杯は14日、パリで開幕し、昨季の世界女王、浅田真央(愛知・中京大中京高)が注目の今季初戦に臨む。
昨季は決して平たんな道程ではなかった。シーズン序盤はジャンプに苦しみ、さらにコーチとの決別、故障、世界選手権でも自由演技中に大転倒があった。精神的な成長が最後に大輪の花を咲かせたが、「今季は、世界選手権までけがもなく、万全の状態で臨めるようにしたい」。
環境は整った。新たにトリノ五輪金メダリストの荒川静香らを育てたタチアナ・タラソワ・コーチに師事し、日本とロシアを行き来して、今季に備えてきた。ルール変更でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の基礎点が上がったことを味方に、看板技を自由演技に2度組み込むプログラムも温めている。
14日に行われるショートプログラム(SP)の曲は「月の光」。静かに流れながらも、終盤に力強さが訪れる。「曲に負けないように、きっちり滑りたいと思う」
バンクーバー五輪の前年シーズン。本番でライバルになる同じ歳の金妍児(韓国)は既にGP2戦2勝でファイナル進出を決めている。「この試合はファイナルに向けた1戦目なので、確実に順位を取らないといけない」。華麗な銀盤の戦いが幕を開けようとしている。