国交省 官庁施設のアスベスト使用実態調査結果 137棟が未対策

 国土交通省は、官庁施設などを対象とした吹付けアスベストの使用実態調査結果をまとめた。それによると5月31日現在、吹付けアスベストなどが使用されているにもかかわらず、未対策の施設が137棟残っていた。またトレモライトなど3種類のアスベストについては、計5526棟で使用状況が把握できていないことが分かった。
 調査は各省庁が所管する建築物などのうち、民間への売却が決まっているものなどを除いた計8万3312棟が対象。うち吹付けアスベストが使用されていたり、その可能性がある施設は5638棟あった。
 この中で吹付けアスベストの使用が確認された施設は500棟。うち363棟が対策済み、137棟が未対策だった。
 残る5138棟は、吹付けアスベストなどの使用状況が不明だった。ただし、2542棟については、アモサイトとクリソタイル、クロシドライトが使用されていないことは把握できていた。
 また最近になって国内で使用されている事実が判明したトレモライトとアクチノライト、アンソフィライトのアスベスト類3種については、使用の可能性がある5638棟のうち、実際に使用の有無が確認されたのは112棟(うち未対策は15棟)にとどまった。大半を占める5526棟で使用の実態が把握されていなかった。

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文科省 学校施設からの転落事故防止留意点まとめ 天窓への防護柵設置など

 文部科学省は、天窓(トップライト)への防護柵や屋上への防護フェンスの設置など、学校施設からの転落事故を防ぐための留意点をまとめ、都道府県教育委員会など関係機関に通知した。
 転落防止策を共通事項と個別事項に分けて提示。共通事項では、施設の現状把握や安全指導の充実とともに、施設面の配慮事項として▽危険な場所は危険であることを理解しやすいデザインとする▽細部まで十分な安全性を確保する▽既存施設も点検し必要に応じて速やかに改善する―など挙げた。
 個別事項では、屋上、天窓、窓、バルコニー、庇などごとに留意点を示している。例えば天窓では、外側への防護柵、内側への防護ネットの設置のほか、周囲に植栽を施して近づきにくくする。屋上では、塔屋へのタラップ(はしご)に容易に登れないよう一段目を高く設定したり、安全性に十分に配慮した手すりや防護フェンスを設置する。
 学校安全教育資料作成協力者会議生活安全部会と、学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議学校施設安全対策部会が合同で検討した。今後安全部会では教職員用参考資料を、安全対策部会では学校施設整備指針の改訂を、それぞれ09年3月をめどにまとめる計画だ。

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国交省 「建築基本法」制定を視野に検討

 国土交通省は、質の高い建築物の整備に向けた基本理念や目標、関係者の責務などを盛り込んだ「建築基本法」の制定を視野に入れた検討に乗り出した。住生活基本法の建築物版という位置付けを想定しており、建築基準法が定める最低限の基準を超えた質の高い建築物の実現を目指す。合わせて、建築確認検査などの実効性確保に向けた方策や、超高層建築物の安全確保方策も検討していく。
 国土交通大臣が1日、社会資本整備審議会に諮問した「安全で質の高い建築物の整備を進めるための建築行政の基本的あり方について」の中で、▽質の高い建築物の整備方策▽建築行政のマネジメント方策▽超高層住宅・建築物、大規模建築物群の安全確保方策―を3項目を検討事項として示した。
 質の高い建築物の整備に向けては、住宅分野での住生活基本法や住宅性能表示制度と同様な枠組みが建築分野でも必要との認識に基づき、基本理念や目標、関係者の責務などを設定するとともに、建築物の質や性能の表示手法などを整備していく方針を掲げた。
 また建築行政の実効性を確保するため、▽部材・資材の製造や建築物の設計・施工、維持管理といったライフサイクルの各段階での安全確保体制の確立▽必要な技術基準・運用指針の迅速な整備と実務者へのきめ細かい情報提供▽建築物や建築技術者などに関するデータベース整備とその有効活用―が必要とした。
 さらに、超高層住宅・建築物や大規模建築物群については、災害時に避難やライフラインの確保が困難となる恐れがあることから、その対応の在り方について検討すべきとした。

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製造過程で発生するCO2排出の全量を「CO2排出枠」でオフセット

 環境負荷低減型社会の創造を目指すブルーテック(堺市北区長曽根町130-42さかい新事業創造センター内)は、CO2(二酸化炭素)の排出負荷をゼロとみなせるセメント系地盤改良用固化材「アトムシックスe」の販売を開始する。 
 同社の販売する、環境負荷低減型である固化材「アトムシックス」は、ライフサイクルアセスメント(LCA分析)結果を踏まえ、高炉スラグや、廃石膏ボード粉などの廃材を活用するなど性能を保ちつつ改良を加えることで、一般のセメント系固化材に対し、製品1トン当たりのCO2排出量が半分程度に低減している。加えて今回、同製品の原材料から製造過程で発生するCO2排出の全量を「CO2排出枠」でオフセットするという。 
 すでに、排出枠販売を手掛けるリサイクルワン(東京都渋谷区)から、アルゼンチンの風力発電とインドのバイオマス発電から作った排出枠を購入済み。今後は大手・中堅、地場ゼネコンなど、環境への意識が高い施工業者を対象に、営業展開を図る構えだ。 
 同社の小林清社長は「カーボンオフセットにとどまらず、環境に配慮した商品開発をすることで競争力を高めることがねらいです」と説明している。 
 ▽問い合わせ-072(255)2022 

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国交省住宅局09年度概算要求 「省資源・省CO2対策」と「安全・安心の確保」促進

 国費ベースで前年度比14%増の1兆1,285億円、事業費ベースで8%増の5兆0,393億円を要求。重点的施策として掲げた高齢者が安心して暮らせるまちづくりや、住宅・建築物の省資源・省CO2対策と安全・安心の確保、住宅ストックの再生と流動化の推進―などに取り組む。
 09年度は、住宅団地の再生や賃貸住宅の整備に際して高齢者の生活を支援する施設整備を促進するための事業を創設。
 また、民間やNPO法人などが高齢者の居住安定確保のために行うモデル的な取り組みを支援する事業も創設する。
 低炭素社会の実現に向け、超長期住宅先導的モデル事業や住宅・建築物「省CO2推進モデル事業」などを推進する。
 住宅や建築物の安全・安心の確保を目的とする施策も強化する。
 これまで個別に実施してきたアスベスト改修事業と耐震改修事業を廃止。代わって「住宅・建築物安全ストック形成事業」を創設し、安全性に問題のある住宅や建築物を対象として調査・設計と改修費用を補助。建築物を除去する際のアスベスト除去費用も補助の対象に加える。
 住宅ストックの再生と流動化を推進するため、国費1,022億円を要求。分譲マンションの再生計画や長寿命計画を策定する管理組合などを対象にした「マンション等安心居住推進事業」を創設するなど、良質な分譲マンションのストック形成を促進する。

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国交省 7月の建築確認状況 申請件数、交付件数ともに反動増

 国土交通省は、7月の建築確認状況を発表した。建築確認の申請件数は前年同月と比べ57%増の5万7344件、確認済証の交付件数は55%増の5万6668件。いずれも改正建築基準法施行の反動で大幅に増加した。構造計算適合性判定(適判)の申請件数、合格件数も前月と比べ増加した。
 建築確認申請件数の内訳は、構造計算が必要な1~3号建築物が前年同月比120・7%増の1万6654件、構造計算が不要な4号建築物が40・4%増の4万0690件。確認済証の交付件数は1~3号建築物が68・1%増の1万6685件、4号建築物が50・2%増の3万9983件だった。
 適判の申請件数は2310件(前月は2202件)、合格件数は2286件(同2260件)だった。

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厚労省が地域介護・福祉空間に431億要求 国交省と連携、公的賃貸住宅を再整備

 厚生労働省は、2009年度概算要求で670億円を基礎額と位置付け、これに170億円(25%)上乗せした740億円を公共事業費として要求した。このうち地域介護・福祉空間整備等交付金として431億円を要求。国土交通省と連携して「安心住空間創出プロジェクト」を展開、公的賃貸住宅団地の再整備を進める。また、これと同時に療養病床の介護療養型老人保健施設などへの転換を進めていきたい考えだ。
 近年、全国の公的賃貸住宅団地では高齢化が急速に進んでいる。全国の公営住宅219万戸のうち、60歳以上の世帯は103万戸、URの賃貸住宅77万戸のうち65歳以上の世帯は26万戸にまで増加している。
 このため、同省は国土交通省と連携して、削減する療養病床の受け皿となる公的賃貸住宅団地の再編整備を進めるとともに、高齢者相互の交流拠点などを整備。高齢者ができる限り、住み慣れた地域や環境で安心して暮らし続けることができる住空間づくりを進める。

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療養病床の転換促進へ優遇税制創設を要望

 厚生労働省は2009年度税制改正要望で、高齢者の住まいを整備するための税制優遇措置の創設、拡充を財務省に求めた。療養病床の削減に伴う受け皿を整備。介護療養型老人保健施設など、ほかの居住系高齢者施設への転換を促進する。
 同省は、要介護高齢者の住まいの一つとしてケア付き賃貸住宅に着目。現行の高齢者向け優良賃貸住宅建設促進税制の拡充とともに、所得税・法人税・固定資産税の優遇措置を創設し、民間の建設意欲を喚起したい考え。
 また、市町村が定める「高齢者の居住の安定確保に関する計画」(仮称)区域内の高齢者向け賃貸住宅については、バリアフリー改修に対する所得税・法人税・固定資産税特例措置の創設を求めた。
 さらに、現行の「住宅のバリアフリー改修促進税制」を13年12月31日まで延長し、療養病床から老人保健施設などへ転換するために増改築した病院などに特例措置として認めている、基準取得額の15%の特別償却を、12年3月31日まで延長するよう要望した。
 同省は当初、現在約35万床ある療養病床を、12年度末までに約15万床にまで再編することを目指していた。しかし、各都道府県や医師会などから異論が続出したことから方針を転換。医療の必要性の低い「介護療養病床」(介護型)は全廃するものの、医療保険が適用される「医療療養病床」(医療型)約23万床は約1万床の削減にとどめ、最終的には療養病床数を約22万床とする。

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07年度の水害物的被害、10年間で最低

 国土交通省は25日、2007年度の水害被害の速報値をまとめた。建物被害などの直接的な物的被害総額は約2082億円で、過去10年間で最も低かった。
 物的被害額のうち、建物や事務所資産、農作物などの「一般資産等被害額」は546億8200万円。河川・海岸・道路・下水道などの「公共土木施設被害額」は1508億8400万円。鉄道や水道、電力会社などの「公益事業等被害」は26億4700万円だった。この中には、人的損失や交通機関の運休による波及被害などは含まない。
 被災建物数は1万5068棟で、全壊・流出は69棟、半壊314棟、床上浸水3283棟。残りが床下浸水。
 07年度は、台風4号と梅雨前線豪雨により、秋田を筆頭に岩手や静岡、宮崎、熊本で大きな水害が発生した。この水害の被害額(約609億円)が全体の3割近くを占めている。また、都道府県別水害被害額で秋田県が最大となったのは1961年の調査開始以来初めて。

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環境教育施設の税軽減=09年度改正で要望へ-環境省

8月27日2時36分配信 時事通信

 環境省は26日、非政府組織(NGO)など民間団体による環境教育を支援するため、拠点となる施設の土地と建物に掛かる固定資産税と都市計画税の軽減措置を2009年度税制改正要望に盛り込む方針を決めた。具体的には、土地と建物の評価額を2分の1として税額を計算し、負担を軽減する。
 対象には、地球温暖化や廃棄物、公害といった環境問題を学習するための展示施設や、人間と自然が共生する様子を野外で学べる里山などを想定している。ただ、教育のために一定規模以上の広さを確保する必要があるとして、土地や建物の面積が100平方メートル以上であることが要件。地方自治体や国から認定を受けることで税の減額を受けられる仕組みにする。