国交省 「建築基本法」制定を視野に検討

 国土交通省は、質の高い建築物の整備に向けた基本理念や目標、関係者の責務などを盛り込んだ「建築基本法」の制定を視野に入れた検討に乗り出した。住生活基本法の建築物版という位置付けを想定しており、建築基準法が定める最低限の基準を超えた質の高い建築物の実現を目指す。合わせて、建築確認検査などの実効性確保に向けた方策や、超高層建築物の安全確保方策も検討していく。
 国土交通大臣が1日、社会資本整備審議会に諮問した「安全で質の高い建築物の整備を進めるための建築行政の基本的あり方について」の中で、▽質の高い建築物の整備方策▽建築行政のマネジメント方策▽超高層住宅・建築物、大規模建築物群の安全確保方策―を3項目を検討事項として示した。
 質の高い建築物の整備に向けては、住宅分野での住生活基本法や住宅性能表示制度と同様な枠組みが建築分野でも必要との認識に基づき、基本理念や目標、関係者の責務などを設定するとともに、建築物の質や性能の表示手法などを整備していく方針を掲げた。
 また建築行政の実効性を確保するため、▽部材・資材の製造や建築物の設計・施工、維持管理といったライフサイクルの各段階での安全確保体制の確立▽必要な技術基準・運用指針の迅速な整備と実務者へのきめ細かい情報提供▽建築物や建築技術者などに関するデータベース整備とその有効活用―が必要とした。
 さらに、超高層住宅・建築物や大規模建築物群については、災害時に避難やライフラインの確保が困難となる恐れがあることから、その対応の在り方について検討すべきとした。

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