12月21日10時3分配信 デイリースポーツ
シンガー・ソングライター・小田和正(61)が20日、京セラドーム大阪で公演を行い、20万人を動員する東名阪での史上最年長のドームツアー(3カ所4公演)を打ち上げた。1カ月前のリハーサル中に自転車で転倒し、右足付け根を打撲。ケガも完治しない中、痛みと闘いながらの“完走”となった。アンコール直後にはスタッフから胴上げされるサプライズに「なんとか泣かないように…」と頑張った61歳も、感極まり涙、涙となった。
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小田が泣いた。3時間半、30曲の渾身(こんしん)のステージ。「年取って涙もろくなってるから、なんとか泣かないように乗り切ろうと…楽しかった!ありがとう!」。アンコールのラスト「きっと同じ」を歌い終え、ステージを下りた小田にサプライズが待っていた。スタッフから胴上げされ、こらえていた涙があふれ出た。ケガを気遣って低めの胴上げ。両手で顔を覆い、涙をふいた。
5万人で埋まったドームツアー最終日。ケガは今も完治していない。それでも会場の大合唱に押されるように、1曲目「今日もどこかで」から、ドームツアーでは初めて、走った。
「一番近いドームにしたい」と縦横無尽に張り巡らされた400メートルの花道のほかに、客席の周囲を自転車で走るというのも小田の発案。しかし、11月20日、リハーサル中の“試走”で滑って転倒し足を強打。激痛で眠れない日々が続き、26、27日の東京ドーム公演は足をひきずりながら歩くのがやっとだった。痛み止めの坐薬に神経ブロック注射、テーピングで患部を固め、痛みと闘いながらツアーを続けてきた。
しかし、18曲目の「キラキラ」では転倒事故も気にせず自転車に乗り、歌いながら片手ハンドルでアリーナ一周。スタッフの心配をよそに走った。
歌声、体力、精神力…どれも超人級。20万枚のチケットはわずか20分で完売した。61歳3カ月、完全燃焼のはずの史上最年長ドームツアー。それでも「(東京もナゴヤも)走りたかった」と悔しさが残った。「体を鍛え直してドームを疾走したい。また帰ってまいります」とリベンジのドームツアーを誓った。
数々の記録を塗り替えてきた小田はまだまだ走り続けることをファンに、自らに約束した。