真央SPで初3回転半挑戦

【パリ15日=高田文太】フィギュアスケートGPシリーズ開幕戦フランス杯で、浅田真央(19=中京大)がGPシリーズや世界大会では、女子で初めてショートプログラム(SP)からトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を組み込む。この日、ベルシー体育館で行われた公式練習で、今季SPを初公開。「仮面舞踏会」の曲に乗り、冒頭で3回転半を試みた。

 この1度だけ転倒したが、それ以外は6度すべて着氷した。SPで3回転半を入れる構成は4月の世界国別対抗戦で1度試し、自己最高の総合201・87点をマーク。同大会は調整試合の意味合いが強かったが、自信を深めた。従来の苦手な3回転ルッツからの変更も「悩みませんでした。ルッツより確率も高いので」と胸を張った。

 今季初戦のジャパンオープン(3日)ではフリーで2度の3回転半に失敗したが、約1週間のロシア直前合宿で復調したもようだ。ベルシー体育館は、尊敬する92年アルベールビル五輪銀メダルの伊藤みどりさんが、女子で世界初の3回転半に成功した場所。浅田も05年フランス杯で、3回転半を決めてシニア国際大会初優勝を飾っている。

 今大会に勝つと、伊藤さんを抜く日本人最多の国際大会通算10勝。同時にバンクーバー五輪での最大のライバルで、同じく9勝の金妍児(キム・ヨナ=韓国)も上回る。この日、リンクサイドでは次の組で滑る金が見つめていたが「あいさつはしたけど、試合になったら自分の演技をするだけ」と、逆に金の練習は見ず帰途に就いた。男女のSPは16日。フリーの2度と合わせて計3度跳ぶ3回転半に、命運を託す。

下敷き:本棚倒れ10歳重体 中3の姉もけが--札幌の古書店

13日午後3時40分ごろ、札幌市東区本町1の3の古書店「デイリーブックス」(服部遣二社長)で、木製本棚(高さ2・1メートル、幅5・4メートル)三つが突然倒れ、店内にいた同区北11東17、市立中学3年、鈴木愛梨さん(14)と市立小学5年の妹、愛菜さん(10)が本棚や書籍の下敷きになった。愛菜さんは倒れた本棚と壁際の本棚に胸を挟まれ、意識不明の重体。愛梨さんは頭に軽傷。札幌東署は業務上過失傷害容疑で14日に現場検証する。

 同署によると、店内には、本棚が計七つあり、店舗中央付近の三つが同時に倒れた。三つは50センチ間隔で設置され、棚の左右の上部側面を板でつないでいた。当時は姉妹のほか、本を整理中のアルバイトの男性(19)も近くにいたが、逃げ出して無事だった。

 店の広さは約50平方メートル。コミック本を中心に約2万5000冊が陳列され、天井近くまで本を積み上げていた棚もあった。同店は昨年10月から一時閉店、今年9月中旬に再開した。同署は棚の固定や陳列方法に問題がなかったか店の関係者から事情を聴いている。

 同店の服部社長(38)は「多くの方々にご迷惑をおかけしました。原因究明と再発防止に取り組んでいきたい」と謝罪した。

 畠中亮店長(46)は「本棚は床に固定していなかったが、板やボルトを使って本棚をつないでおり、転倒防止策はしっかりできていると思っていた」と説明した。

 一方、高校1年の女子生徒(15)は「以前から店内は本がびっしりで、危ないと思っていた」と話していた。【和田浩幸、円谷美晶】

串木野小優勝/30人31脚鹿児島大会

児童30人以上がお互いに足首を結んで50メートルを走る「30人31脚全国大会2009」鹿児島大会(KKB鹿児島放送主催)が11日、鹿児島市下福元町の鹿児島国際大であった。15小学校の21チームが出場、いちき串木野市立串木野小6年1組=写真=が9秒77で優勝した。準優勝は姶良町立西姶良小6年1・2組。3位は鹿児島市立花野小6年1組だった。
 開会式では鴨池小6年3組の代表3人が「心一つにゴールまで駆け抜けることを誓います」と選手宣誓。各チーム2回走り、ベストタイムを競った。緊張からか1走目では半数以上のチームが転倒。優勝、準優勝のチームも1走目は転倒したが、気持ちを切り替え2走目で好記録をたたき出した。
 串木野小6年1組の女子主将、平石風音さん(12)は直前の練習でも転倒。「怖くてもう出たくないと思ったとき、みんなが支えてくれた」と勝利を喜んだ。男子主将の白石侑也さん(11)は「練習はきつかったけど、みんな懸命にやっていたから自分もがんばれた」と振り返った。
 串木野小6年1組を始め全国26地区の優勝チームが記録測定に臨み、そこでの記録上位10チームが11月8日に横浜市である全国大会に出場する。鹿児島大会の模様は31日午後2時からKKBで放送される。 kus

農作業中、高齢者の死亡事故相次ぐ 機具操作が負担に

稲刈りなどの農作業が最盛期だった9月、農家の人がトラクターやコンバインで転倒し、死亡する事故が県内で3件立て続けに発生した。農作業の現場では運動能力や判断力が低下した高齢者が大半で、機械を使った作業の安全をどう守るかが大きな課題となっている。

 のどかな田園風景が広がる津市久居明神町で9月11日午後2時すぎ、市道からトラクターが転落し、農家の男性(79)が亡くなる事故があった。

 津南署によると、男性はベテランの専業農家。午後1時45分ごろ、トラクターで自宅を出発したが、700メートル離れた田んぼに向かう途中、操縦を誤って市道から60センチ下の田んぼに真っ逆さまに転落した。トラクターは旧式で、運転台を覆う「安全フレーム」がついておらず、男性は機械の重みで押しつぶされた。

 翌12日には津市片田長谷場町の男性(79)がトラクターで農道から転落して死亡。20日には伊賀市玉滝の男性(77)が、稲刈り中にコンバインごと田んぼに落ちて亡くなった。犠牲者はいずれも70代後半で、農業の経験が長いという共通点があった。

 農林水産省農業生産支援課によると、農作業事故の全国の死者は2007年が397人で、そのうち65歳以上の高齢者が72%を占めている。県内でも毎年5人前後が亡くなっており、やはり大半が高齢者だ。

 死亡事故の65%は、トラクターやコンバインなどの機械を使っている時に起きている。あぜ道や道路から転落したり、ぬかるみにはまって操作を誤り、横転したりする事故が目立つという。

 同課は「機械自体の安全性は向上しているが、自動車の運転と同じで加齢による身体機能の低下が事故につながっている」と指摘する。昨年度から農機具メーカーに対し、機械を買い替える高齢者に身体機能の低下を自覚してもらうテストの実施を求めている。

 しかし、小規模な兼業農家が多い三重県では後継者不足が深刻で、機械を新しくする余裕のある農家は少ない。県農水商工部農業経営室は「農業用の機械は車と違って車検がない。安全性の低い旧型の機械をそのまま使っているケースも多い」と話す。業界団体を通じて農機具の安全な使い方の講習会を行っているが、現場の高齢化の波に対応し切れていないのが実情だ。

 (鈴木龍司)

〈ZOKING〉目指し…愛媛・西予で雑巾がけレース

長さ109メートルの廊下で雑巾(ぞうきん)がけのスピードを競う「雑巾がけレースZ―1inうわ」が11日、愛媛県西予市宇和町の宇和米博物館で開かれた。70人が〈ZOKING〉の称号を目指し、築80年の元小学校舎の廊下を疾走。足がもつれて転倒する選手もおり、大きな拍手や歓声がわいていた。

 このレースは、廃校となったレトロな平屋の木造校舎に設けられた米博物館でユニークなイベントを開こうと、同市商工会青年部宇和支部が2004年から開催。12の教室が並ぶ木製廊下を、2人が同時に両手で雑巾をかけながら走る。

 7、8月に2度行われた予選には164人が参加。この日は予選を突破した足自慢たちがそろったが、途中でバランスを崩したり、勢い余ってゴールの先にある壁に頭からぶつかったりする選手もおり、観客の笑い声を誘っていた。

 19・23秒の好タイムをたたき出し、2年ぶりに優勝を果たした福岡県の歯科医師谷口礼さん(28)は「家はじゅうたんなので、雑巾がけの腕を披露できないのが残念」と笑顔で話していた。

(2009年10月12日 読売新聞)

民家全焼し1人死亡、不明の84歳男性か 奈良・橿原市

12日午前1時半ごろ、橿原市白橿町の無職、前田昇さん(84)方から出火。木造2階建て民家を全焼した。

 焼け跡から男性1人の遺体が見つかり、県警橿原署では行方が分からなくなっている前田さんと見て、身元の確認を急いでいる。

 前田さん方は夫婦2人暮らしで、妻(81)も逃げ出す際に転倒し、軽いけがを負った。

パラグライダー事故:風で着地失敗?70歳男性重傷 群馬

12日午前11時15分ごろ、群馬県富岡市妙義町菅原の妙義スカイパークで、パラグライダーを操縦して飛行していた東京都練馬区豊玉中の自営業、山崎博行さん(70)が、着地に失敗して転倒し、腰や肋骨(ろっこつ)骨折などの重傷を負った。群馬県警富岡署によると、山崎さんは「予期せぬ風にあおられて、落ちてしまった」と話しているという。

 同署によると、山崎さんは出発点から約500メートル離れた着地点の手前で転倒し、パラグライダー仲間が119番通報した。山崎さんのパラグライダー歴は約20年で、日本ハング・パラグライディング連盟が発行するパイロット免許を持っていたという。【奥山はるな】

台風18号 県内6人けが

台風18号の影響で、県は8日、県内で6人がけがをしたと発表した。うち5人は神戸市で、中央区では、強風で閉まった防火扉に指をはさんだ男性(39)と、路上で転倒した女性(78)が軽傷。また、長田区で自転車の男性(34)、灘区でオートバイの女性(45)、北区でバイクの女性(76)がそれぞれ強風にあおられて転倒し、腕や腰などにけがをした。伊丹市でも男性(41)が自転車で転倒して擦り傷を負った。
 県警のまとめでは、強風により神戸や伊丹、尼崎、篠山各市で計13棟の建物のガラスが割れたりトタン屋根がはがれたりした。尼崎市久々知西町1丁目では、雑居ビルの壁がはがれて道路をふさいだ。神戸市東灘区本山南町では会社のシャッターがとばされたという。

「竜巻台風」生活直撃

屋根は飛び、電柱は根元から折れた。大型で勢力の強い台風18号は龍ケ崎市や土浦市で突風を発生させ、200棟以上の民家を襲った。「あまりに一瞬のことだった」。住民はがっくりと肩を落とした。水戸地方気象台は8日、両市の突風が「竜巻」とみられると発表した。

 大型の台風18号の影響で県内では突風で転倒するなどして計13人が重軽傷を負った。

 土浦市宍塚では午前5時ごろ、竜巻が発生し、1棟が全壊、10棟が半壊した。近くに住む無職女性(63)は割れた窓ガラスで手を負傷した。宍塚小学校と宍塚公民館を結ぶ南側一帯の被害が激しかった。

 同じく竜巻に見舞われた龍ケ崎市では、大徳町を中心に北は野原(や・わら)町から南は佐沼町まで帯状に被害が確認された。5棟が半壊し、109棟が一部損壊した。この突風で龍ケ崎市では外で枝を切っていた男性(70)がはしごから落ちて頭部打撲と鎖骨骨折で重傷、民家の1階で就寝中の女性(22)が割れた窓ガラスで手を切るなど3人が軽傷を負った。

 つくば市では道路を歩いていた女性(90)が風にあおられ転倒し、左手首と左足が骨折する重傷を負った。日立市では自宅裏の土砂が崩れ、物置2棟が全壊。3人が近くの公民館に自主避難した。

 同日午前5時ごろには水戸地方気象台から、県内全域に竜巻注意情報が出されていた。同気象台によると午前4時32分ごろ土浦で最大瞬間風速が毎秒21メートルを観測。過去10年で最大だったという。

 東京電力茨城支店によると、土浦市や龍ケ崎市を中心に突風による断線などで計1万1870軒が停電。土浦市宍塚地区では午前5時から約11時間停電した。

 通勤や通学にも影響が出た。JR東日本水戸支社によると、JR常磐線特急は午前中から43本が運休した。また普通列車も上野―仙台間で上下線が運転を見合わせた。

 土浦市宍塚地区。竜巻を受け折れた電柱には、倒壊した物置やトタンがくしゃくしゃになって巻き付いていた。

 2階自室で寝ていた会社員の佐野聖美さん(28)は8日未明、窓ガラスのがたがた揺れる激しい音で跳び起きた。窓越しに外を見ると、薄暗い中で白っぽいものが見えた。何かが飛んでいるようだった。家全体が揺れた。怖くなって階下に避難しようと階段を下りかけたところ、2階の窓ガラスが突風でバーンと割れ、同時に部屋の間仕切りの戸が吹っ飛んだ。足がすくんだという。

 須藤照夫さん(73)は、ゴーというすごい音を聞いた。一瞬、ふわーっと家全体が浮き上がるように感じた。雨がたたきつけるように降っていた。そのうち、庭先や前の畑に、自動車のボディーや瓦、トタンが次々と降ってきた。幅十数メートルのビニールハウスが倒壊。育てていた菊50鉢がだめになった。「来月の全国品評会に出品するつもりだった。残念です」と何度も受賞歴のある須藤さんは言った。

 土浦宍塚郵便局は、屋根の半分ほどを失った。幸い、書類などには影響がなかったが、停電しているため、8日は臨時休業にした。近くの土浦中貫郵便局から応援にきた富島裕局長は「こんなにひどいとは思わなかった」と困惑していた。

 「お母さん、車がひっくり返っているよ」。地震のように家が揺れ、目覚めたという龍ケ崎市大徳町の会社員、鈴木明美さん(54)。娘がそう叫ぶのを聞いて外に出ると、本当に自動車が仰向けに転がっていた。「バチバチ」という火花が散るような音も聞こえたという。

 近くの農業、渡辺猛さん(56)は物置にしているハウスを見回り、自宅に帰ってくると「ミシミシ」という音が聞こえた。「気圧が下がったような感じで、揺れは十数秒ぐらい続いた」。はす向かいの家の瓦などが飛ばされていたので様子を見に行き、「119番通報」したという。

 同市交通防災課によると、大徳町を中心に北は同市野原(や・わら)町から南は佐沼町まで東西に約200メートル、南北に約5キロにわたって被害が確認された。

 同課は「被災地を地図に落とすと帯状に延びていることがわかった」と説明。被害発生当初から、竜巻が発生したと見ていた。

油断禁物 /長野

9月に北アルプスの常念岳などを縦走登山した。本格的な登山は初めて。登り道は大変きついが、360度に絶景が広がる頂上では疲れも吹っ飛んだ。しかし、下山する道ではひざがガクガク。障害物もない場所なのに、足を滑らせて転倒してしまった。

 いつも取材している側の山岳遭難事故。転倒や滑落はよくあるが「なぜ、こんなところで」などと、いま一つ実感できなかった。「無理は禁物」「計画的に」。転んだ瞬間、県警が常に呼び掛けている言葉が、頭をよぎる。山を甘くみてはいけない。身をもって知ったのだった……。(明)

毎日新聞 2009年10月8日 地方版