県内でも強風被害 取手で男性が重傷

県内でも一日夜から二日朝にかけて強い風に見舞われ、取手市内では同市消防本部の観測で平均一〇・二メートル、最大二一・二メートルの強風が吹き荒れた。

 この影響で、二日午前九時七分ごろ、同市宮和田でごみ出しをしようとした無職男性(83)が強風にあおられて転倒。大腿(だいたい)骨骨折の重傷を負ったほか、同市藤代の藤代庁舎敷地内の桜が県道に倒れるなどの被害が出た。

松井秀“オレオレ守備”でキャンプ打ち上げ

【エンゼルス1-1ブルワーズ】エンゼルス・松井秀喜外野手(35)が30日(日本時間31日)、約1カ月に及ぶアリゾナでのキャンプを打ち上げた。同日のブルワーズとのオープン戦でも4番・左翼で先発出場。6回に左前打、守備でも今キャンプ最長の7回を守り、有終の美を飾った。試合後にはロサンゼルス入り。いよいよ5日(日本時間6日)の開幕に向け、本拠地で最後の仕上げに入る。

 自然な動きだった。5回2死二塁。コッタラスの打球が遊撃と左翼の間に上がると、松井は素早く前進。遊撃手のアイバーを制し、余力を持って捕球した。キャンプ序盤のノックではドミニカ共和国出身の26歳と呼吸が合わず、松井が転倒した場面もあった。しかし、それも遠い昔。今は「自分でコールして捕った。何語?日本語だよ。“オレ、オレ、オレ”って言ったんだよ」と軽口が飛び出す余裕がある。

 今キャンプ守備に就くのは3試合目で、この日は前の2試合(いずれも4回)よりも長い7回まで守った。守備機会は1度だけだったが、「守りに就いての試合感は少しずつ出てきた」。ソーシア監督も「非常に良かった。よく動いていたね」と評した。そして、守ることでゲーム中で本来のリズムを取り戻し、相乗効果を呼んでいるのが打撃だ。6回の第3打席では、外角スライダーを引っ掛けることなく左前打に。「状態が上がってきたし、いい準備ができている」と口にした。

 新天地でのキャンプを打ち上げ、松井は「ひざの状態が悪くなることもなく、非常にいいスプリングトレーニングだった。シーズンへの準備はある程度できた」と振り返り、試合後はロサンゼルスに移動。移動時はスーツ着用が義務づけられたヤンキース時代と違い、シャツのすそを出したラフなスタイル。「カリフォルニアだからね」と足取りも軽かった。

氷河期乗り越え入社・入庁式 トヨタや日航 「再出発」誓う春

 全国の企業、官公庁で1日、一斉に入社・入庁式が開かれた。大学生の就職内定率が過去最低の80%にとどまるなど極めて厳しい“採用氷河期”をくぐり抜けた新入社員たち約76万人の晴れやかな顔がそろった。だが、日本経済の立ち直りのペースは遅く、大規模リコール問題に揺れるトヨタ自動車や経営再建の重荷を背負った日本航空などでは、強い逆風の中での船出となった。

 ■トヨタ

 大規模リコール(無料の回収・修理)問題に見舞われたトヨタの入社式は、愛知県豊田市の本社で開かれ、1250人の新入社員が辞令を手にした。昨年6月に就任後初の入社式となる豊田章男社長は「お客さまの信頼回復に向け再出発したばかり。自分がトヨタを立て直すくらいの強い気持ちを持ってほしい」と述べ、信頼回復に一致団結して取り組むよう呼び掛けた。

 豊田社長は「お客さまにご迷惑をかけ、世間を騒がせた。ビジネスが急拡大する中でお客さまの声を聞く姿勢がおろそかになっていたのでは、と謙虚に反省しないとならない」とリコール問題を説明。「トヨタはレースの先頭集団にいたが、つまずき大転倒した。今まで以上にお客さまに支持される、新しいトヨタに生まれ変わらないといけない」と述べ、「再出発一期生」たちに奮闘を求めた。

 新入社員を代表して中山秀樹さん(18)と山田早紀さん(18)の2人が「トヨタの将来を担うべく努力する」と誓いの言葉を述べた。新入社員代表で豊田社長から辞令を受けた石原智子さん(23)は、リコール問題について「とても不安になったが、早く一人前になって貢献できるようになりたいと思った」と話していた。

 新入社員数は昨年からほぼ半減。これまで同市のトヨタスポーツセンターで開催するのが通例だったが、トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併した1982年度以降で初めて本社の事務本館ホールを会場にした。

 ■日航

 日航は羽田空港内で入社式を開いた。破綻(はたん)後、最初の新入社員は566人。出席した約550人は緊張した面持ちで式に臨んだ。逆風下での式で稲盛和夫会長は「このような状況下で入社を決意いただいたことを心強く思っている」「再び世界を代表する航空会社として復活を遂げるよう取り組んでいく。ついてきていただきたい」と呼び掛けた。

父親殴り死なせた疑い 27歳の長男逮捕

福岡県警八女署は2日、父親(56)を殴ったとして、傷害容疑で長男の無職井手陽童容疑者(27)を逮捕した。父親は転倒した際に後頭部を強く打ち、搬送先の病院で死亡。同署は容疑を傷害致死に切り替えて調べを進める。

 逮捕容疑は1日午後8時10分ごろ、八女市黒木町桑原の駐車場で、父親の哲博さんの顔を殴った疑い。八女署によると、井手容疑者は「自分の妻と父親の仲が悪く、話し合おうと思ったが口論となり、かっとなって殴った」と話している。(共同)

千葉女子大生殺人、ATM男6回目の起訴 一連の捜査は終結

千葉県松戸市で昨年10月、千葉大園芸学部4年の荻野友花里さん=当時(21)=を殺害したなどとして強盗殺人罪で起訴された住所不定、無職、竪山辰美被告(49)について、千葉地検は31日、別の女性への強盗致傷罪や3件の窃盗罪などで追起訴した。竪山被告の起訴は、今回で6回目。県警によると、竪山被告に対する一連の捜査は終結した。

 起訴状によると、竪山被告は昨年10月31日午後8時半ごろ、同県印西市の駐車場で、女性(22)を突き飛ばし転倒させ、顔を殴るなどして軽傷を負わせたうえ、金を奪おうとするなどしたとされる。

悪いことはできない…ひったくり容疑者の自転車がはねられる

28日午前9時20分ごろ、千葉県松戸市内の市道を歩いていた71歳の女性が、後ろから接近してきた自転車に2人乗りしていた男女に現金入りのバッグをひったくられた。しかし、自転車は約10m先の交差点でクルマと衝突して転倒。警察はこの2人を逮捕している。

千葉県警・松戸東署によると、ひったくり容疑者の乗った自転車は犯行後にそのまま逃走しようとしたが、約10m先の交差点に進入した際、交差道路を進行してきた乗用車と出会い頭に衝突。乗っていた2人は自転車ごと数メートル弾き飛ばされたが、その後も徒歩で逃走した。

警察は現場に残されていた遺留品から、印西市内に在住する19歳の少年と、松戸市内に在住する16歳の少女が容疑に関与したと断定。同日夜まで窃盗容疑で逮捕した。2人は事故による軽傷を負っていたという。

調べに対して少年は「頭が痛くて何にも覚えていない」と供述。少女は「少年が自転車をこぎ、後ろに乗っていた自分がバッグを奪った」などと供述し、容疑を大筋で認めているようだ。

現場は松戸市五香南3丁目(E139.58.52.1 N35.47.12.6)付近の市道で、信号機は設置されていない。女性は買い物に向かう途中で、バッグには現金約3000円が入っていたという。

《石田真一》

酒気帯び運転:中2男子生徒を逮捕 原付きバイク2人乗り

沖縄県警本部(もとぶ)署は31日、原付きバイクを飲酒運転した同県今帰仁(なきじん)村の中2男子生徒(14)を道路交通法違反(酒気帯び・無免許)容疑で現行犯逮捕。同乗していた無職少年(15)を補導した。容疑を認めているという。

 逮捕容疑は、男子生徒は31日午前0時半ごろ、原付きバイクに2人乗りし、無免許で村内の国道を飲酒運転したとしている。

 同署によると、パトカーが2人乗りの原付きバイクを見つけ、追跡を始めた直後に転倒したという。逮捕された生徒は呼気1リットルあたり0.27ミリグラムのアルコール分が検出されており、飲酒の経緯などを調べている。2人は春休み中で「買い物に行く途中だった」と話しているという。【井本義親】

抱っこ布、危険抱える 転落など国内で64件、輸入元が自主回収

米国やカナダでベビースリング(抱っこ布)による乳児の窒息死事故が相次ぎ、両国が注意喚起などに今月乗り出した問題を受け、国民生活センターは27日までに、国内でも過去10年間に転落による乳児の頭蓋(ずがい)内損傷など64件の事故報告があったとして注意を呼びかけた。死亡事故は米国、カナダで過去20年に計16件あったが、国内では確認されなかった。

 同センターのまとめでは、1999年4月から今年3月15日時点までの間、国内の64件の事故によるけが人は0歳児を中心に55人となった。

 スリングなどを利用中に滑り落ちて頭蓋内損傷の重傷を負った0歳の男児1人のほか、0歳の女児が頭の骨を折るなど2人が骨折。最多は軽傷の打撲や擦り傷の40件で、脱臼1件などのほか、子守帯でおんぶ中に0歳児が顔を密着させ窒息しそうになったケースも1件あった。

 米国では、消費者製品安全委員会が生後4カ月未満の乳児について、スリングの布が鼻や口をふさいでしまう危険性と、利用中に乳児があごを胸につけるように丸まって気道を狭めてしまう危険性を指摘。カナダでは保健省が、保護者が転んだはずみの転落や、製品の脇や足の開いた部分から滑り落ちることなどに注意を呼びかけている。

 国民生活センターは「赤ちゃんの顔が見えるようにして、気道をふさぐ状態にならないよう注意を。首が据わるまでは背当てや頭当てがあるものを選び、使う際は落下防止の調節具を正しく調節するように」としている。

 この問題で、米国で3件の死亡事故があった米インファンティーノ社が米国、カナダで製品の自主回収を開始。国内の輸入・販売元のルミカ(福岡県古賀市)は26日、2007年10月以降に主に通信販売した「スリングライダー」3736個を対象に、自主回収を発表した。連絡先は電話03・5569・6080。

重圧にミス連発の長洲「チャンスを逃してしまった」

【フィギュア世界選手権女子】初出場の長洲は、巡ってきた優勝のチャンスを生かせなかった。周囲の予想を覆し、SPで五輪メダリストを抑えてトップに立ったものの、フリーはジャンプで転倒や回転不足、着氷が乱れるなどのミスを連発。「集中力を保ちたい。順位のことはあまり考えずに滑りたい」と懸命に無心を心掛けていたが、重圧に押しつぶされた。

 初の五輪は4位と大健闘し「安藤選手に勝っちゃった」と驚きを隠さなかった。屈託のない笑顔と、長い手足が印象的。この日は精彩を欠いたが、すでに全米女王に輝くなど、次代を担う逸材であることに疑いはない。

 日本人の両親は米ロサンゼルス郊外で、すしレストランを営む。米国で生まれ育ち、英語ほど流ちょうではない日本語で取材にも対応。ただし「自分は米国代表。これからもアメリカのために滑る」と言い切る。五輪に続き、貴重な経験を積んだ16歳は、いずれ日本勢にとっての脅威となりそうだ。

 ▼長洲未来の話 チャンスを逃してしまった。五輪は4位でメダルに近かったのに、落ちてしまって悔しい。 (共同)

障害者の希望育む

日本勢のメダルラッシュに沸いたバンクーバー冬季パラリンピック。その中で気をはいたのが、計11個のメダルのうち7個を獲得したアルペンスキー競技のチェアスキー勢だ。「後輩たちが、世界のトップレベルに確実に育った」。リレハンメル大会のアルペン・チェアスキーの銀メダリストで、長野大会では選手団主将も務めた野辺地町の四戸龍英さん(57)は、万感の思いで連日の熱戦を見つめた。(佐藤純)

 「金、取りました」。今月20日、弾んだ声の国際電話がバンクーバーから入った。アルペン・スーパー大回転で金メダルに輝いた北海道出身の狩野亮選手(24)だった。「青森に来る時には、金メダル持ってこいよ」。教え子が世界相手につかんだ頂点。うれしさがこみ上げた。

 出会ったのは10年前の2000年冬、北海道で臨んだ障害者スキーのナショナルチームの合宿先だった。父親と見学に訪れた中学3年の少年は、強化選手の滑りを熱いまなざしで見つめていた。話を聞くと、交通事故で脊髄(せきずい)を損傷したのが原因で両足の機能を失い、それでも、大好きなスキーを続けたいと、2年前にチェアスキーを始めたとのことだった。

 「滑りを見てあげようか」。自身と境遇を重ね、指導を買って出た。「独学なので教えてもらったことないんです」。うれしそうにゲレンデに繰り出した少年の滑りは、粗っぽさはあっても、驚くほどうまくスピードに乗れていた。急なカーブで無理をしない自分の滑りとは違った。

 無理にカーブを攻めないのには、わけがあった。高校時代に国体などで活躍し、大学に進んだ1年生の冬、滑降の練習中に転倒し、脊髄損傷で足の機能を奪われた。まだほとんど普及していなかったチェアスキーに33歳で出会い、パラリンピックの正式種目にチェアスキーが加わった1988年以降、5大会連続で出場したベテランも、転倒するのが怖かった。「ずるい滑りなんだ」。最高位は、94年のリレハンメル大会の銀だった。

 2002年のソルトレーク大会でパラリンピックを引退した。後を追うように4年後のトリノ大会に出場した少年は、回転で27位、大回転は途中棄権する大惨敗だった。粗削りな滑りは相変わらず。それでも、トップを狙って果敢に攻める姿勢を貫いた。「それで、いい」。金メダルに届かなかった夢を託した。

 前回トリノ大会の9個を上回るメダルをつかんだバンクーバー大会の閉会式。テレビには、旗手として日の丸を掲げる笑顔の狩野選手の姿があった。「やったな」。胸が熱くなった。

 来月、野辺地を訪ねてくる予定だ。その時には伝えようと決めている。「もっと頑張れ、そして記録を伸ばせ。その姿が、障害者たちの希望になるのだ」

(2010年3月28日 読売新聞)