【エンゼルス1-1ブルワーズ】エンゼルス・松井秀喜外野手(35)が30日(日本時間31日)、約1カ月に及ぶアリゾナでのキャンプを打ち上げた。同日のブルワーズとのオープン戦でも4番・左翼で先発出場。6回に左前打、守備でも今キャンプ最長の7回を守り、有終の美を飾った。試合後にはロサンゼルス入り。いよいよ5日(日本時間6日)の開幕に向け、本拠地で最後の仕上げに入る。
自然な動きだった。5回2死二塁。コッタラスの打球が遊撃と左翼の間に上がると、松井は素早く前進。遊撃手のアイバーを制し、余力を持って捕球した。キャンプ序盤のノックではドミニカ共和国出身の26歳と呼吸が合わず、松井が転倒した場面もあった。しかし、それも遠い昔。今は「自分でコールして捕った。何語?日本語だよ。“オレ、オレ、オレ”って言ったんだよ」と軽口が飛び出す余裕がある。
今キャンプ守備に就くのは3試合目で、この日は前の2試合(いずれも4回)よりも長い7回まで守った。守備機会は1度だけだったが、「守りに就いての試合感は少しずつ出てきた」。ソーシア監督も「非常に良かった。よく動いていたね」と評した。そして、守ることでゲーム中で本来のリズムを取り戻し、相乗効果を呼んでいるのが打撃だ。6回の第3打席では、外角スライダーを引っ掛けることなく左前打に。「状態が上がってきたし、いい準備ができている」と口にした。
新天地でのキャンプを打ち上げ、松井は「ひざの状態が悪くなることもなく、非常にいいスプリングトレーニングだった。シーズンへの準備はある程度できた」と振り返り、試合後はロサンゼルスに移動。移動時はスーツ着用が義務づけられたヤンキース時代と違い、シャツのすそを出したラフなスタイル。「カリフォルニアだからね」と足取りも軽かった。