【フィギュア世界選手権女子】初出場の長洲は、巡ってきた優勝のチャンスを生かせなかった。周囲の予想を覆し、SPで五輪メダリストを抑えてトップに立ったものの、フリーはジャンプで転倒や回転不足、着氷が乱れるなどのミスを連発。「集中力を保ちたい。順位のことはあまり考えずに滑りたい」と懸命に無心を心掛けていたが、重圧に押しつぶされた。
初の五輪は4位と大健闘し「安藤選手に勝っちゃった」と驚きを隠さなかった。屈託のない笑顔と、長い手足が印象的。この日は精彩を欠いたが、すでに全米女王に輝くなど、次代を担う逸材であることに疑いはない。
日本人の両親は米ロサンゼルス郊外で、すしレストランを営む。米国で生まれ育ち、英語ほど流ちょうではない日本語で取材にも対応。ただし「自分は米国代表。これからもアメリカのために滑る」と言い切る。五輪に続き、貴重な経験を積んだ16歳は、いずれ日本勢にとっての脅威となりそうだ。
▼長洲未来の話 チャンスを逃してしまった。五輪は4位でメダルに近かったのに、落ちてしまって悔しい。 (共同)