自転車転倒、孫助け祖母はねられ死亡 明石の山電踏切 

6日午後0時45分ごろ、明石市西新町3の山陽電鉄西新町駅東の「国道西踏切」で、同市貴崎、無職中村千秋さん(49)が、姫路発阪神梅田行き特急電車にはねられ、約1時間半後に死亡した。中村さんは、孫の男児(2つ)を自転車に乗せて踏切を横断中に転倒。電車が接近したため、孫を抱きかかえて踏切の外に避難させた後、自転車を動かそうと再び踏切に入り、はねられたらしい。男児は自転車で転倒した際、顔を打ったが、無事だった。電車の乗客にけがはなかった。

 明石署によると、中村さんは、同居する孫の男児(2つ)を自転車に乗せて踏切を東から西へ横断中に転倒。当時、雨の影響でレールなどがぬれて、滑りやすくなっていたという。

 現場近くの店員によると、事故の直後、踏切わきで泣きじゃくっていた男児を中年男性が抱きかかえていた。この男性は「女性は踏切内に残った自転車を取りに戻ったような感じだった。なんで戻るんや、と思ったが、間に合わなかった」と話したという。

 中村さんの近所に住む女性は、中村さんが孫を自転車に乗せて出掛ける姿をよく見たといい「きのうもあいさつしたばかり。『きょうは孫の誕生日』と喜んでいたのに」と声を詰まらせた。

 この事故の影響で、後続の上下線4本が最大12分遅れ、計約600人に影響した。

 現場周辺には、この踏切を含め、約150メートルの区間に計4カ所の踏切が集中し、現在、踏切をなくす高架化事業が進んでいる。今年1月には隣接する踏切で、高齢の女性が誤って軌道内に乗用車を進入させて特急電車が衝突、直前に女性が逃げ出した事故もあった。

(2009/10/07 01:09)

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