真央が丸裸に!?

中日スポーツ –

フィギュアスケート▽3日▽埼玉・さいたまスーパーアリーナ

 浅田真央(19)=中京大=のバンクーバー冬季五輪シーズンは、ホロ苦い船出となった。新フリープログラム『鐘』(ラフマニノフ作曲)を初公開したが、トリプルアクセル(3回転半)を2度とも失敗するなど精彩を欠き、06年にシニア転向以来ワースト2位の102・94点で女子6人中3位。ライバルキム・ヨナ(19)の母国・韓国からテレビ取材班が来場。浅田の演技のVTRが韓国連盟サイドに渡り、丸裸にされるおそれが出てきた。日本チームは選手が総じて不調で最下位に終わった。

 両手を天に突き上げる決めポーズを解いた浅田が、首をかしげた。2度試みたトリプルアクセルで1発目は転倒、2発目が1回転半に抜けるなど得意のジャンプで、まさかの失敗が相次いだ。

 「今日初めてフリーを滑って、自分の練習してきたことをすべて出すことができなかった」。シニア転向後、ワースト2位の低得点となった演技を反省した。

 事件は試合後の会見でも起きた。韓国テレビ局SBSの取材班が浅田に対して「(以前のインタビューで)新しいプログラムを史上最高のレベルにアップすると言いましたが、キム・ヨナ選手を乗り越えるという意味でしょうか。ヨナ選手を意識しているのか」と“直球”の質問を浴びせかけた。浅田は一瞬、顔をこわばらせながら「そんなふうには考えていません」と、否定するひと幕があった。

 今月15日に現地で放送するヨナと浅田のドキュメントに、今回の試合の映像が使用されるといい、韓国連盟サイドに流れるおそれもある。SBS取材班は「スパイじゃないですから」と話すが、浅田のマネジメント関係者は「(VTRを韓国連盟に)そりゃ、見せるでしょう」と、プログラム解読を警戒する。2週間後にはヨナとの直接対決となる、グランプリシリーズ・フランス杯(パリ、15日開幕)を控える。氷上のライバル対決はこれから、さらに熱くなる。 (中谷秀樹)

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