明石花火大会事故 元副署長4度目不起訴 神戸地検 新証拠なしと判断か

2009年10月2日
2001年に兵庫県明石市で11人が死亡した花火大会事故で、神戸地検が、業務上過失致死傷容疑で書類送検された当時の県警明石署榊和晄(かずあき)副署長(62)を4度目の不起訴にしたことが2日、分かった。地検が嫌疑不十分で不起訴としたのに対し、検察審査会が今年7月、3度目の「起訴相当」を議決していたため再捜査していた。
 
 今年5月施行の改正検察審査会法では不起訴の場合、審査会が再度審査し、起訴すべきだと判断すれば裁判所の指定する弁護士が検察官に代わって起訴することになる。
 
 裁判員制度と同様に市民の意見を取り入れるのが狙いの改正法が施行されてから、審査会の起訴相当議決を受けて捜査した地検が再度不起訴処分としたのは初めてとみられ、今後は審査会の再審査の行方が注目される。
 
 地検は02年12月、現場で指揮した明石署の元地域官(59)ら5人を業務上過失致死傷罪で起訴したが、最高責任者の元署長(07年に死去)と榊元副署長については「事故の予測は困難だった」として起訴を見送った。
 
 今年7月の議決を受け、地検は過失の有無について再度捜査。起訴につながる新証拠がないと判断したとみられる。
 
 事故は01年7月21日に発生し、業務上過失致死傷罪の時効は5年。しかし、審査会は元地域官が上告中で、刑事訴訟法に「共犯の公判中は時効が停止する」との規定があることから時効には当たらないと判断した。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA