機械科教職員らパイプいすの収納台車を製造、高校に納品/横須賀

9月1日21時0分配信 カナロコ

 県立横須賀工業高校(横須賀市公郷町、川名伸治校長)機械科の教職員らがパイプいすを収納する台車12台を製造した。県立市ケ尾高校(横浜市青葉区市ケ尾町)の校長に転任した桐野輝久前校長が体育館のパイプいすの収納に困っているのを知り、夏休み中の勤務時間外に生徒も協力して3週間で完成させた。「ものづくりの技術が役立ってよかった」と教職員らは喜んでいる。

 1千人を超す生徒が在籍している市ケ尾高では、半地下状態の体育館ステージ下に棚を作り、その上にパイプいすを30脚以上、2メートルほどの高さまで積み重ねていた。

 いすは1脚5キロの重さがあり、取り出す際に崩れたらけがをする危険性も。心配した桐野校長が横須賀工業高機械科の中村逸平教諭に相談したところ、収納台車の製作を快く承諾してくれた。

 鉄製の台車は縦1・1メートル、横1・8メートル、高さ0・5メートル。パイプいすを2列に立てられ、1列に40~50脚を収納できる。製作には機械科の教職員12人全員に加え、生徒も協力。図面づくりから角パイプの切断と溶接、キャスター(車輪)の取り付けなどすべて手掛けた。「業者に頼めば1台20万円はするのでは」と桐野校長。製作費は材料費だけだったためその10分の1ほどで済む見込みという。

 1日には機械工場に生徒も集まり、底の角パイプに滑り止め用のシールを張って完成。今月前半には保護者の協力で市ケ尾高へ搬入する予定。桐野校長も「生徒がけがをしたらと心配だった。大変感謝している」と話している。

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