7月3日16時2分配信 毎日新聞
昨年、県内で発生した労災による死者数は6人(前年比8人減)、休業4日以上の死傷災害が1047件(同105件減)で、いずれも過去最少になったことが高知労働局のまとめで分かった。年々減少しており、高知労働局は「労災ゼロが目標だが、事業所の意識が高まった」と話している。
まとめによると、死者数の内訳は、トラック運転の交通事故が2人、ほかはトラックの下敷き▽機械の落下▽地面への転落▽枯れ木の激突--がそれぞれ1人ずつだった。業種別では建設業3人、サービス業2人、運輸業1人だった。死者数のピークは1956年の91人。昨年は、最近10年間で死者がほぼ毎年出ていた製造業と林業でゼロになった。
一方、労働基準監督署への報告が必要で、労災申請が可能になる休業4日以上の死傷災害件数は、1977年の4895人をピークに約5分の1まで減少。業種別の内訳は、サービス業32・3%▽製造業24・9%▽建設業18・3%--。発生状況別では「転倒」16・8%、「墜落・転落」15・5%と続いた。
高知労働局は景気悪化の影響で、企業による労災防止対策がおろそかになることを懸念。同局安全衛生課は「労災の未然防止のため、作業や設備面で危険性をなくすようさらに呼びかけたい」と話している。【服部陽】