6月16日13時32分配信 毎日新聞
生後2カ月の長男を床に投げつけるなどして死亡させたとして傷害致死罪に問われた熊本県八代市高島町、派遣社員、早野慎吾被告(24)に対し、熊本地裁は16日、懲役6年(求刑・懲役8年)を言い渡した。柴田寿宏裁判長は「無慈悲でむごたらしい事件だ」と指摘した。
判決などによると、早野被告は08年5月3日午後9時10分ごろ、自宅で生後2カ月の長男憂寿(ゆうと)ちゃんを床に投げつけ、頭を骨折させるなどして死亡させた。
早野被告は捜査段階では容疑を認めていたが、弁護側は公判で「過酷な取り調べで虚偽の自白をした。長男を抱いて入った風呂場で誤って足を滑らせ、長男が後頭部付近を浴槽にぶつけたことが原因」と無罪を主張。
一方、検察側は取り調べの様子を録音・録画したDVDを法廷で流すなどして「自白には任意性があった。外傷は意図的に投げつけたことで生じた」としていた。
柴田裁判長は「任意の取り調べ段階での自白の信用性に疑いはない」として、弁護側の主張を退けた。【遠山和宏】