6月1日1時33分配信 読売新聞
全仏4連覇の「クレーコートの王者」ナダルに、一体何が起こったのか。
世界ランク25位のソデルリングに、完全に主導権を奪われた。平均スピードで自身より20キロ以上速い最速226キロの高速サーブにてこずり、ブレークはわずか2度にとどまった。
持ち味の粘り強く、正確無比なストロークにも狂いが生じ、簡単なショットをネットにかけて顔をしかめる場面が再三。生命線のフットワークも、第3セットには右足を滑らせ、転倒して赤土まみれになった。
過去3戦3勝。約1か月前のローマでの対戦では、6-1、6-0で制した相手に、まさかの苦杯だった。
予感はあった。前哨戦の地元マドリードで宿敵フェデラー(スイス)に敗れ、対戦連勝は「5」でストップ。今大会もピリッとせず、苦戦した1回戦後には「このトーナメントは長い。今から調子を上げることも、改善もできる」と語っていた。しかし、その言葉も、5連覇の夢も消え、パリの曇り空の下、ガックリうなだれた。 (近藤雄二)