新保険給付対象の福祉用具の留意事項を通知-厚労省

4月17日19時35分配信 医療介護CBニュース

 厚生労働省はこのほど、介護報酬の改定により今年度から保険給付の対象になった福祉用具についての留意事項を、都道府県の介護保険主管部局長あてに通知した。留意事項が示されたのは「体位変換器(起き上がり補助装置)」「階段移動用リフト」「特殊尿器(便が自動吸引されるもの)」「入浴補助用具(入浴用介助ベルト)」「認知症老人徘徊感知機器(離床センサー)」「引き戸等への扉の取り替え」の6項目。

 和布団の下に設置して起き上がりを助ける「体位変換器(起き上がり補助装置)」は、今年度から給付対象となったが、転落などが予想されるため、ベッド上などでの使用に注意が必要としている。

 階段や段差を昇降できる「階段移動用リフト」も給付対象となったが、転倒などの事故に留意する必要があるほか、家族や訪問介護員などが操作することも予想される。
 このため、福祉用具専門相談員は、階段移動用リフトのメーカーなどが実施する講習を修了するほか、サービス担当者会議などを通じて利用者の家族らに対し、適切に使用するための助言や情報提供などを行う必要がある。また、階段移動用リフトを居宅サービス計画や介護予防サービス計画に盛り込む場合、利用者の家族などに使用方法や留意事項などを十分説明した上で、実際に階段移動用リフトを使ってもらいながら指導し、専門的な見地から安全性に十分配慮して要否を判断、責任を持って提供することとされている。
 指定福祉用具貸与事業所などは、階段移動用リフトの見やすい場所に、使用上の留意事項などを掲示し、利用者の家族などに安全性に関する情報提供を行う。

 今回、「特殊尿器(便が自動吸引されるもの)」が給付対象となったが、利用者が使い続けることで、かえって自立した日常生活が営めなくなる場合や、廃用症候群(体を動かさないことで生じる体の不調や障害)も想定される。
 このため、居宅介護福祉用具購入費か介護予防福祉用具購入費を算定できるのは、「特殊尿器」が必要と判断される人か、市町村が福祉用具の必要性を確認できる場合となっている。
 「特殊尿器」が必要と判断される人とは、利用者が指定居宅介護支援か指定介護予防支援を受けている場合、「要介護認定等基準時間の推計の方法」のうち、調査項目「移乗」と「排便」の直近の結果が「全介助」か、医師の医学的な所見やサービス担当者会議を通じた適切なケアマネジメントに基づいて特殊尿器が必要と判断された人が当てはまる。
 医師の医学的な所見については、主治医意見書のほか医師の診断書や、担当の介護支援専門員などが聴取した、居宅サービス計画などに記載する医師の所見でも差し支えないとされている。

 「入浴補助用具」では、浴槽の出入り時などに体を支えるために使用する「入浴用介助ベルト」が給付の対象となった。
 「認知症老人徘徊感知機器(離床センサー)」では、「ベッドや布団などを離れた時に通報する」機器が給付対象となった。
 住宅の改修で開き戸を引き戸などに取り替える「引き戸等への扉の取り替え」では、これまで扉の位置変更などを給付対象としてきたが、引き戸などを新設する方が取り替えより費用が安く抑えられる場合に限り、「引き戸等の新設」も給付対象となった。

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