凍結坂道を車滑走70m、女児2人重軽傷…通行止め無視

2月2日23時59分配信 読売新聞

 2日午前7時50分頃、宮城県多賀城市中央の坂道になっている市道で、頂上近くで一時停車したワゴン車が再発進しようとした際、凍結した路面でスリップ。約70メートルにわたって滑り落ち、通学途中の女子児童2人をはねた。

 2人は転倒し、肩の骨を折るなどの重軽傷を負った。坂道の上りには、降雪があった先月31日から、同市が車両通行止めの看板を設置していたが、運転手は「看板には気付いていたが、(坂を下りてくる)対向車がいたため、入っていいだろう」と坂道に進入したという。

 塩釜署は、ワゴン車を運転していた七ヶ浜町遠山、会社員穀田秀行容疑者(35)を自動車運転過失傷害の疑いで現行犯逮捕した。

 発表では、ワゴン車は坂道頂上の丁字路交差点で、一時停止の標識に従って停車し、再発進しようとした時にスリップし、スピンしながら後退。ガードレールに衝突しても停止せず、はずみで反対側を下っていた女児をはねた。市立多賀城小3年(9)が左鎖骨を折る重傷、同小2年(8)が頭と肩に打撲傷を負った。

 同署と多賀城市によると、坂道は約150メートルで平均勾配(こうばい)12%。頂上付近の勾配は30%の急斜面で、住民らは、象の鼻にたとえて「マンモス坂」と呼び、凍結すると危険な坂として注意をしていたという。

 道路を管理する市も、雪や凍結で危険が予想される場合、「車両通行止」の置き看板(高さ約80センチ、幅約3メートル)を3か所に設置しており、今回も先月31日に設置した。看板は、道路をふさぐように置かれていたが、すきまが約2メートルあり、住民によると「通る車は多い」という。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA