高齢者7割、元気に 恩納村・がんじゅう大学

1月6日15時30分配信 琉球新報

 【恩納】筋力トレーニングや柔軟運動で高齢者の健康を維持しようと、恩納村が昨年6月から開始した講座「がんじゅう大学」が人気を集めている。参加者からは「つえを使わずに歩けるようになった」「姿勢が良くなった」と評判は上々。3カ月ごとの体力測定では、柔軟性と筋力が向上した参加者が7割を超えた。回を重ねるごとに参加者は増え、延べ1600人を突破。村は人気に応え、5カ所で実施している講座を来年度から10カ所に増やすことを決定。志喜屋文康村長は「元気で長寿の恩納村を実現したい」と話している。
 がんじゅう大学は昨年6月、65歳以上の高齢者を対象に瀬良垣、恩納、南恩納、仲泊、宇加地の5カ所でスタート。参加者は血圧や脈の測定、問診などを受けた後、いすを使う柔軟体操やマットを使った腹筋運動などを約1時間行う。
 運動の間には水分補給の大切さを知ってもらうため、必ず休憩を挟む。参加者は休憩中、おしゃべりに花を咲かせ、交流を楽しみに参加する人も多い。スタッフの伊波智恵子保健師は「家にこもって出歩くことがなかった人も、講座が始まって交流を目当てに参加する人もいる」と話す。
 参加者の最高齢で89歳の長浜カメさんは「以前は足首が痛んだが、運動を始めて痛みがなくなった」。つえを使用していたが運動のおかげでつえを使わなくなった参加者もいるなど、高齢者の健康向上につながっている。
 半年の延べ参加者は1656人。基本的に65歳以上が対象だが、メタボリック症候群を意識して65歳未満の人も増えているという。
 3カ月に一度行う体力測定では、約半数の参加者が片足立ちができるように。転倒防止に効果があり、柔軟性と体全体の筋力、バランスが必要な「ファンクショナルリーチ」では、76%に改善が見られた。伊波保健師は「村人口の約2割が65歳以上の高齢者。これからも多くの人に参加してもらい、健康になってもらいたい」と力を込めた。
 (金城良広)

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