3人乗り自転車:解禁から1年 売れ行き快調 10万台を突破、1カ月待ちも

◇高額も助成金など後押し
 昨年7月に解禁された3人乗り自転車の販売台数が1年間で10万台を突破し、「想定外の売れ行き」(自転車メーカー)となっている。電動アシスト付きなら十数万円、アシストなしでも4万円以上と高額で普及が疑問視されていたが、子育て世代の人気を集めた。首都圏を中心に自治体の助成やレンタルが始まり、認知度が高まってきたことが背景にあるようだ。【田村彰子】

 大手メーカーの丸石サイクル(埼玉県吉川市)は約3万台を販売し、入荷待ちが最長1カ月の自転車店も出た。担当者は「これまで取引していなかった店から、3人乗り自転車だけほしいと依頼があったほど。補助金制度やレンタル制度などがPRになったためでは」と説明する。

 最大手のブリヂストンサイクル(同県上尾市)は6万5000台以上を販売し、広報担当者は「アシスト付きが特に好調」。3人乗り自転車のシェアが高いとされるホダカ(同県越谷市)やヤマハ発動機(静岡県磐田市)も売れ行き好調で、この4社だけで販売台数は10万台を上回った。

 助成制度やレンタル事業も人気を集める。

 東京都文京区は「保護者の負担軽減」のため、購入者100人に3万円ずつ補助することにしたところ、4月の募集開始から約2カ月で230件以上の申し込みがあった。昨年10月に助成制度を始めた西東京市も、半年間で申し込みが257件に達した。昨秋から今年3月にかけてレンタル事業を始めた東京都練馬区や三鷹市、町田市には希望が殺到。3自治体で計160台の予定だったが、いずれも大幅に増やして計500台超にした。

 3人乗り自転車は警察庁の安全基準を満たすものだけが認められ、転倒しにくいなどの特徴がある。「子どもを保育園に送るのに必要」と購入した文京区の女性会社員(26)は「子どもを乗せるならこういう自転車が欲しいと思っていた」と話した。

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