県内は14日、台風並みに発達した低気圧の影響で強風が吹き荒れ、女性1人が自転車で転倒して軽いけがを負ったほか、住宅被害や交通の乱れが相次いだ。
青森地方気象台によると、13日夜から県内全域に暴風雪警報が発令され、深浦町では午前6時25分に瞬間最大風速31・2メートルを記録。八戸市でも午後2時に29・1メートル、外ヶ浜町では午前4時38分に28・9メートルの風をそれぞれ観測した。
県防災消防課によると、青森市浪岡では、自転車の70代の女性が風にあおられて転倒し、足に軽傷。また、10市町村の民家計20棟で屋根や外壁が強風で壊れる被害が出た。
弘前市高杉阿部野では、強風で資材倉庫のトタン屋根計約96平方メートルが吹き飛び、約10メートル離れた向かいの民家の窓ガラスを割るなどした。民家の女性(81)は、「屋根が飛んでくるのを夫が見つけ、部屋の奥に逃げた。こんな風は経験がない」と声を震わせた。
また、青森市旭町2の美容室では風で外壁がはがれ落ち、駆けつけた消防署員がブルーシートで覆う応急処置に追われた。経営者の女性(74)は「風の力のすごさを思い知った」と驚いた様子だった。
交通機関も乱れ、JR青森支店によると、東北、奥羽、大湊、五能、津軽、八戸の各線で、計104本が運休。青森駅では、駅員が、足止めされた利用客への説明に追われていた。
同気象台によると、暴風雪警報は14日夕に解除されたが、強風は15日午前中まで続く見込み。
(2010年4月15日 読売新聞)