雪上を駆ける 檜枝岐スラローム

●196人、全力の滑り

 第34回朝日杯檜枝岐スラローム大会(檜枝岐村主催、朝日新聞社、県スキー連盟など後援)が28日、檜枝岐村の尾瀬檜枝岐温泉スキー場で開かれた。男子6部門と女子4部門に小学生から成年まで計196人が参加し、138人が完走した。

 競技は2回の滑走の合計タイムで競われ、Aコースは全長400メートルで最大斜度が22度、第1走が39旗門、第2走が38旗門で行われた。Bコースは全長350メートルで最大傾斜度19度、第1走が34旗門、第2走は36旗門。Aコースで最も速かった選手に贈られる朝日杯は、猪苗代高の井上賢之介さん(18)が獲得。合計タイムで1分4秒29を記録した。Bコースでは、若松商高の橘つぐみさん(17)が1分10秒04で優勝した。

 福島地方気象台によると、競技が始まった午前9時半の同村の気温はマイナス0・3度。終止曇りがちで、競技中の最高気温も3度以下に。コースは滑走に適したコンディションが維持され、選手らは気持ちよさそうに板を走らせていた。

 上位の結果は以下の通り。

 ◆男子

 【小学1部】(1)中丸雄哉(南郷jrレーシング)(2)菊地朝仁(たかつえレーシング)(3)君島王羅(フォーチュンスポ少)

 【小学2部】(1)大谷龍平(アルツ磐梯「金メダルプロジェクト」)(2)小野岳陽(南郷jrレーシング)(3)長谷部宏仁(フォーチュンスポ少)

 【中学】(1)小野耕陽(南郷jrレーシング)(2)目黒郷(只見町スキースポ少)(3)藤野俊太郎(磐梯レーシング)

 【少年】(1)井上賢之介(猪苗代高)(2)山田隆太(同)(3)菊地拓也(若松商高)

 【成年1部】(1)大山亮(近畿大)(2)小橋雅弘(須賀川スポ少)

 【成年2部】(1)栗田健司(金山スキークラブ)(2)小野寺信雄(東北電力福島)(3)兎内茂(宇都宮協会)

 ◆女子

 【小学1部】(1)猪俣向日葵(スクエアレーシング)(2)中丸あみ(南郷jrレーシング)(3)白岩真帆(喜多方スキースポ少)

 【小学2部】(1)酒井晴加(南郷jrレーシング)(2)阿宗睦美(アルツ磐梯「金メダルプロジェクト」)(3)関光里(フォーチュンスポ少)

 【中学】(1)渡部麻結(城西スキースポ少)(2)中丸菜緒(南郷jrレーシング)(3)渡辺智子(フォーチュンスポ少)

 【一般】(1)橘つぐみ(若松商高)(2)土屋美咲(会津学鳳高)(3)土橋千聖(同)

 ◎情熱を忘れずに/Aコースで朝日杯:猪苗代高・井上 賢之さん

 猪苗代でインストラクターをしている父・裕明さん(47)の指導で、2歳から滑り始めた。「もの心がついた頃には滑れていた」

 猪苗代高で3年間、ハイレベルな仲間と切磋琢磨(せっさたくま)。冬は競技会で各地を転戦、夏は下半身を鍛え、今年2月のインターハイで大回転を制した。アルペンでのインハイ優勝は県内男子では初の快挙だ。

 新年度から早稲田大スポーツ科学部に進み、スキーを続ける。尊敬するのはアルペンの皆川賢太郎選手。「周りへの感謝の気持ちを忘れず、皆川さんのように年齢を重ねてもスキーへの情熱を忘れない選手でいたい」という。

 ◎攻めて差広げる/Bコースで優勝:若松商高・橘 つぐみさん

 地元、檜枝岐出身。応援に駆けつけた「じいちゃん」の前で、2位に2秒34の差をつける見事な滑りを見せた。

 今季は国体、インターハイに出場。ただ、いずれも転倒し、悔いを残した。それだけに「1本目は抑え過ぎた」。同じ檜枝岐出身で顧問の橘良弘先生(43)に「ゴールできたんだからいいよ」と励まされ、2本目に。急角度でターンする「ヘアピン」に注意しつつも、「攻め」の気持ちを胸に、さらに差を広げた。

 小学生の時から地元チームで滑り込んできた。新年度は高校最後の年。「1位で県予選を突破し、インハイで悔いのない滑りをしたい」

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