「手を出したらまずい」無抵抗のテレンス・リー重傷

TBS「サンデー・ジャポン」などに出演し、元傭兵(ようへい)のコメンテーターとして活動するタレントのテレンス・リー(45)=本名・加藤善照さん=を殴ってケガを負わせたとして、神奈川県警相模原署は9日、傷害容疑でアルバイトの男(42)を逮捕した。リーは顔の骨を折るなど全治4週間の重傷。路上でぶつかりトラブルとなったが、「手を出したらまずい」と暴行を受け続けたという。

 逮捕されたのは神奈川県相模原市の稲葉暁(さとる)容疑者。逮捕容疑は9日午前0時10分ごろ、同市相模原4丁目のJR相模原駅前の駐車場でリーを殴った疑い。「殴ってケガをさせたのは間違いない」と供述している。

 相模原署などによると、同日午前0時ごろ、リーは相模原駅方面から自転車で帰宅途中、歩道を歩いていた稲葉容疑者と擦れ違いざまに接触。稲葉容疑者が「この野郎!危ねえじゃねえか!」などと声を荒らげたため、リーは「ここじゃなんだから」と歩道に面した駐車場に誘った。

 駐車場で口論となった後、突然、稲葉容疑者が殴りかかり、リーは自転車とともに転倒。立ち上がろうとしたが、古傷のひざが痛んですぐには起き上がれず、そのまま蹴りを顔面に食らうなどしたという。

 リーは英国で傭兵としてスカウトされ、中米の麻薬カルテルの壊滅工作に加わったなどと自称。剛柔流空手、柔道など計7段の有段者でマッチョ体形。「自分が暴れると人間凶器になって相手にケガをさせてしまう」と、一方的に暴行され続けたと話しているという。通りかかった40代の男性が近くの交番に通報し、駆け付けた同署員が稲葉容疑者を取り押さえた。

 リーの顔面は「どこを狙って殴られたというのが分かる状態でなく、顔全体が腫れ上がっていた」(同署員)といい、病院へ搬送。右目奥の骨を折るなど、全治4週間と診断された。入院はせず、自宅に戻った。フジテレビのバラエティー「ホンマでっか!?TV」(月曜後11・00)の出演など年内の仕事はすべてキャンセル。当面は自宅療養し、来週にも精密検査を受ける。

 稲葉容疑者は友人と近くで酒を飲んだ帰りだった。1メートル70前後の中肉中背で、同署員は「少なくとも体格でリーさんに勝っている状況ではなかった。酒を飲んで勢いがついちゃったんだろう」と話した。

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