地方分権改革推進委 国の出先機関の見直しを中間報告

 政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は1日、国の出先機関の事務・権限を廃止・地方移譲する考え方と、組織の見直しの方向を中間報告した。今後、関係省庁に見解を求めた上で、出先機関の抜本改革についてヒアリングなどを交えた議論を進め、2008年12月に第2次勧告をまとめる。
 中間報告ではまず、国の出先機関について、膨大な予算で大規模な公共事業などを行うものの、中央から物理的に離れ事務・権限が出先の長に委任されているため、国会や大臣などのチェック機能が働きにくい実態を指摘。結果的に「無駄遣いや官製談合などの構造的なガバナンス(統治)の欠陥が問われる事態になった」と批難し、抜本的な見直しと改革の必要性を訴えた。
 報告の中心は、廃止・民営化や地方移譲する事務・権限の基準と、それに伴う組織の見直しの考え方。また、地方移譲の際に必要な措置や、組織の見直しに伴う人員・財源の取り扱いについて示し、具体的な権限・組織の在り方の議論を国と地方自治体の双方に強く要請した。
 地方移譲の際に必要な措置では、災害などの緊急時に機動的に対応できる仕組みの構築の検討を求めている。これは「大規模災害時に国の役割を的確に果たすには地域に一定の規模と能力を備えた機関を設置する必要がある」と、国土交通省をはじめとする多くの省庁が主張していることを踏まえたもの。本府省に緊急事態への対応機能を集約した遊軍的な組織を設け、都道府県などと連携・協力して機動的に対応するべきだとしている。

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国土交通省打ち水大作戦2008

 国土交通省の打ち水大作戦2008が1日、春田謙事務次官はじめとする幹部や職員の有志が参加して行われた。
 春田事務次官が「打ち水を通じて水のありがたさを感じてほしい」とあいさつした後、東京都下水道局から提供された下水再生水を、浴衣を着た職員らがひしゃくやじょうろ、ペットボトルで本庁舎正面玄関に撒いた。
 NPO法人などで組織する「打ち水大作戦本部」の呼び掛けに応じて毎年実施。今回の打ち水では、正面玄関の気温が2・5度低下した。

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スターハウスのリユース工事が完成 UR都市機構 春日丘団地

 UR都市機構西日本支社は、建替事業を進めている春日丘団地(藤井寺市・羽曳野市)内のスターハウスを、給水施設にリユースする工事が完成したことに伴い7月31日、現地で説明会を開催した。
 スターハウスは上空から見るとY字型をした住棟で、昭和30年代に各地の公団団地で建設され、団地の景観にアクセントを与えるとともに、ランドマーク的役割として親しまれてきた。建替事業では、長年親しまれたスターハウス1棟を給水施設として保存、活用することにし、これまで給水施設設置や外壁改修、耐震補強などを進めてきた。
 鉄筋コンクリート造5階建て延べ717㎡の1~2階部にポンプ3台(管径50mm 0.243/min×53m×5.5kw)と受水槽(21t×2)を設置、3階以上は内装材を撤去し、建物重量を軽減している。開口部は閉塞し、元の窓部分にはアクリル樹脂版を設置することで、景観にも配慮している。
 同団地は2004年3月に建替事業に着手、「時を重ねてきたまちの資産や貴重な素材を『リユース』し、新たな居住環境に活かす街づくり・住まいづくり」をコンセプトの1つに、良質な樹木の継承や団地で使用されていた材料を集会所の床材やベンチなどに積極的に活用している。

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国交省 6月の建築着工 住宅着工戸数は前年同月の反動などで16・7%減

 国土交通省は、6月の建築着工統計調査報告をまとめた。新設住宅の着工戸数は前年同月と比べ16・7%減の10万0929戸で12カ月連続の減少。同省では「改正建築基準法の施行直前で駆け込みが多かった前年同月の反動減に加え、最近の住宅市況の落ち込みが影響したもの」とみている。季節調整済年率換算値は113万戸。全建築物の着工床面積は29%減の1442万平方㍍だった。
 住宅着工戸数の内訳を利用関係別に見ると、分譲住宅は前年同月比27・2%減の2万5196戸。中でもマンションは36・5%減の1万4430戸と大幅に下落し、一戸建ても10・2%減の1万0554戸となった。持家は6・6%減の2万9605戸、貸家は15・1%減の4万5325戸だった。
 地域別では、首都圏が前年同月比6・5%減の3万4614戸、中部圏が8・2%減の1万4013戸と一けた台の減少にとどまったのに対し、近畿圏は30・1%減の1万4742戸、その他地域は21・4%減の3万7560戸と大幅に落ち込んだ。
 全建築物の着工床面積を発注者別に見ると、公共建築主が前年同月比45・9%減の70万平方㍍と3カ月連続の減少。民間建築主は27・9%減の1372万平方㍍と12カ月連続の減少となった。
 民間建築主が発注した非居住建築物の使途については、事務所が7・6%減の73万平方㍍、店舗が49・5%減の112万平方㍍、工場が41・9%減の106万平方㍍、倉庫が29・1%減の71万平方㍍といずれも減少した。

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省エネセンター「住まいの省エネ性能診断」の応募を受け付け

 省エネルギーセンターは、一戸建て住宅の断熱性能を専門家が無料で診断する「住まいの省エネ性能診断」の受診希望者を募集している。個別に作成する診断レポートに基づき、それぞれアンケートに答えてもらう。省エネ住宅の普及が狙い。募集件数は先着順で30件。対象は関東地域の一戸建て・持ち家住宅。
 「冷房の効きが悪く光熱費が掛かる」「冬のガラス窓の結露がひどい」「足元が寒い」といった住まいの問題に対して、専門家が無料で診断する。さらに、断熱リフォームの方法と費用、改修効果、家庭用暖冷房機器の省エネルギー性能、生活行動の省エネ度などを「住まいの省エネ性能診断レポート」にまとめ、個別に説明する。
 応募できるのは、関東地域の平屋か2階建ての一戸建て・持ち家住宅で、木造在来(軸組み)工法、または枠組み壁(2×4)工法の住宅。
 診断は2回実施。1回目は、12月から1月にかけて家の構造、周囲の状況、機器などを現地調査するとともに、自動温度計を設置し、室内の気温の変化などを計測する。2回目の2月は、診断レポートを基に診断結果を説明。アンケートに記入してもらう。
 同事業は、経済産業省資源エネルギー庁からの委託を受けて実施するもの。募集要領や申込書はホームページ(http://www.eccj.or.jp/)に掲載。

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住団連、第1四半期住宅景況感調査報告、総受注戸数・金額ともマイナス、消費マインドの冷え込みが要因

 住宅生産団体連合会(住団連、和田勇会長)が7月29日に発表した、会員企業経営者へのアンケートに基づく2008年度第1四半期「低層住宅景況感調査報告」によると、景況判断指数(前年同期と比べ「良い」の割合から「悪い」の割合を引いた値を基に算出)は、総受注戸数・総受注金額ともにマイナス13ポイントで、2四半期ぶりにマイナスに転じた。住団連では、生活必需品の値上がりなどで「家計への負担が増加し、消費マインドの低下を招いている」と分析。住宅市場は非常に厳しい環境に置かれているとの見方を示した。
 住団連法人会員の経営トップにアンケートし、16社から回答を得た。
 住宅種別で見ると、戸建て注文住宅は、受注戸数がマイナス9、金額がマイナス6で、前期のプラスから今期はマイナスに反落した。各社からは「回復の兆しあり」「上昇傾向」との声もあるが、「原材料の価格の上昇による先々の不安定要因が消費マインドを後退させている」「受注戸数は前年並みを確保したが受注単価が減少」といった現状の厳しさを感じさせるコメントが多かった。
 戸建て分譲住宅は、受注戸数・金額ともにプラス13だった。企業によって景況感にばらつきがあるが、団塊世代ジュニア向けのコストパフォーマンスが高い商品の販売が好調であるなど、全体としては07年度第2四半期から回復基調が続いている。
 低層賃貸住宅は、受注戸数がマイナス15、金額がマイナス25ポイントと2四半期ぶりのマイナス。この実績に対しては「3階建て工業化商品が好調」との声もあるが、「昨年の反動減」や「4・5月が低調だった」など、マイナス基調が鮮明な企業も多く、全体としてもマイナスに落ち込んだ。
 第2四半期の景況判断指数は、新商品の販売や組織体制の見直しなどにより、プラス回復を見込んでいる企業が多い。トータルでは、総受注戸数・金額ともにプラス9でわずかにプラス回復の見通しとなっている。
 同時にアンケートした2008年度の新設住宅着工戸数の各社予測平均値は109・1万戸で、前回4月に調査した112・7万戸の予測を下回った。内訳は持ち家が33万戸、分譲が29・9万戸、賃貸が45・3万戸となっている。

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利便性高める鉄道整備を

 国土交通省の北村隆志鉄道局長は、29日に開いた就任会見で、「都市鉄道の利便性を高めたい」と話し、既存路線を連絡する短絡線の整備や駅施設の改良などを推進する考えを示した。一方で地方鉄道については、コンパクトなまちづくりを進める上で「鉄道の存在は大きい」とするとともに、「人が集まる『駅』の機能を、まちづくりにも生かすべき」などと述べた。
 世界規模の環境問題が深刻化する中で「鉄道の意義を見直す時期になっている」。特に都市鉄道については、ネットワークがほぼ完成しており、今後は「利便性を高める」ための整備に力を入れる。そのことにより、環境への負荷が小さな鉄道の利用を促していく考え。
 地方鉄道については、地域の活性化を進める上での『駅』の役割を強調。駅を中核としたまちづくりを進めるための財源を確保するために、「利用者だけでなく、自治体や企業などにも応分の負担が必要になる」とした。国としても事業費の補助などで取り組みを支援する方針でいる。
 このほか、「(整備新幹線など)日本の背骨となる鉄道整備も進めていく」。厳しく不透明な財政環境の中ではあるが、「安定的な財源を確保していきたい」と話した。

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国交省 マンション関連法制見直しへ マンション政策部会初会合

 マンション関連法制の見直しに向けて国土交通省は7月28日、マンション政策部会の初会合を開いた。和泉洋人住宅局長は冒頭、「マンション政策の在り方をゼロから議論してほしい」と述べ、マンション建て替え円滑法やマンション管理適正化法といった関連法制を大幅に見直す必要性に言及。部会では建て替え事業などの手続き・手法を合理化したり、適正なマンション管理を促す仕組みなどを検討し、早ければ2009年1月にも検討成果をまとめる。
 この部会は、07年末時点で528万戸のストック、1300万人の居住者を擁する分譲マンションについて、今後の政策の在り方を集中的に討議するため、国交省が社会資本整備審議会住宅宅地分科会の下に設置。部会長には北海道大学大学院の越澤明教授が就任した。
 28日の初会合では、事務局が分譲マンションをめぐる課題とその対応策を示した。それによると、管理組合の円滑な運営に向けては、管理に精通した者に管理させる方式(管理者管理方式)の導入を論点として提示。また長期修繕計画の策定を普及させる施策や管理上のトラブルを解決するための紛争処理の仕組みなども検討事項に挙げた。
 さらに、エレベーター設置など居住者の利便性や安全性を向上させる改修を容易にする仕組みや、建て替え事業などの手続き・手法を合理化できる枠組みの構築も検討課題として位置付けた。

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政府 環境モデル都市 横浜など6都市選定 千代田区など7都市も候補に

 政府は7月18日、横浜市など6都市を「低炭素社会」の実現に向けた取り組みを先導的に実施する環境モデル都市に選んだ。また東京都千代田区など7都市を、今後改めて選定を検討する候補都市に位置付けた。政府は、モデル6都市の取り組みに必要な支援を優先的・重点的に行う。
 モデル都市は、規模や地域バランスを考慮して、82件の提案の中から横浜市のほか北九州市、北海道帯広市、富山市、北海道下川町、熊本県水俣市を選んだ。候補都市は千代田区のほか、京都市、堺市、長野県飯田市、愛知県豊田市、高知県檮原町、沖縄県宮古島市。
 選定に当たっては、総理直轄の「地球温暖化問題に関する懇談会」の下に設置した「環境都市モデル都市・低炭素社会づくり分科会」(座長・村上周三慶応大学教授)が、各都市の提案内容を①温室効果ガスの大幅な削減②先導性・モデル性③地域適応性④実現可能性⑤持続性―の基準で評価した結果を踏まえた。「候補都市」は、現状では基準を満たせない項目があると判断された。
 横浜市の提案では、2025年のCO2排出量を04年比30%削減する目標を設定。省エネ住宅や200年住宅の普及に向け、住宅性能評価の格付けや省エネ証書を発行して、固定資産税を軽減することなどを盛り込んでいる。
 モデル都市・候補都市とも、提案内容に基づいて20~30年の長期を見据えた当面5年間のアクションプランを年度内に策定。モデル都市に対しては、アクションプランの実施に必要な予算措置などの支援を優先的に実施。候補都市については、アクションプランの策定状況を踏まえてモデル都市に選ぶかを決める。

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住団連調べ、住宅ローン減税の延長を8割以上が希望

 住宅の建築・購入に関心のある消費者の8割以上が、今年12月31日で適用期限が切れる住宅ローン減税の「延長・拡大延長」を望んでいることが、住宅生産団体連合会(住団連)の調べで分かった。特に20~30歳代で延長の要望が強かったという。
 住宅への消費税についても考え方を尋ねたことろ、「非課税にすべき」が50%、「現行の5%の据え置き」が34%で、「引き下げ容認」は2・7%にとどまった。
 調査は全国の総合住宅展示場30会場の来場者を対象として、今年4月から5月にかけて実施。6000枚のアンケート用紙を配布し、2923枚を回収。回収率は48・7%だった。

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