指挟み発車 男性けが 10メートル引きずられ

 25日午後1時50分ごろ、神戸市中央区のJR東海道線元町駅で、米原発網干行き快速電車(8両編成)が、駆け込み乗車しようとした長田区の無職男性(68)の指を2両目の扉に挟んだまま発車した。男性は動き出した電車に引きずられる形で約10メートルホームを並走。気づいた車掌が非常ブレーキをかけて急停止させた。男性は転倒し、右後頭部を打つなど軽いけが。

 JR西日本によると、発車前、運転席にはドアが完全に閉まったことを示すランプが点灯していた。JR西の基準では、扉に2センチ以上のすき間がなければセンサーは閉まったと感知するという。

 また、元町駅は緩いカーブになっており、車掌が最後尾から前方を目視できない場合に備え、ホームにモニターが設置されていた。JR西は、運転士と車掌が男性に気づかず発車させた経緯を調べている。生田署も事情を聴き、詳しい原因を調べる。

 電車の扉をめぐる事故では、南海高野線萩原天神駅で平成19年9月、普通電車が男児を乗せたベビーカーを挟んだまま134メートル走行。昨年4月には京王線の駅でつえを扉に挟んだ高齢の女性が転倒し軽いけがをしている。

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