電動車いす 背もたれなく乗り降り楽 「ベーダ国際」開発

8月26日20時2分配信 毎日新聞

 背もたれがなく乗り降りしやすい新型の電動車いすを、九州大や早稲田大などでつくる「ベーダ国際ロボット開発センター」(福岡県宗像市)が開発し、26日、試作品を公開した。小回りがきき、介助なしでベッドやトイレへの移動が可能だという。

 従来の車いすは、背もたれやひじかけ、車輪が妨げとなり、ベッドなどに移動する際転倒することがあった。また座面が低いため座ったまま高い場所に手が届かないという声も多かった。

 新型の車いすはスクーターのような形で、重さは約100キロ。二輪駆動で補助輪が二つついている。ボタン操作で座面が上下に動き、上半身を起こせる人は1人で乗り降りが可能。1回の充電で4時間動き、国の認可が得られれば、電動車いす同様、歩道なども走行できる。開発に協力した九州大病院リハビリテーション部の高杉紳一郎講師は「車いすからの乗り降りをいかに楽にするかは課題だった。画期的な発想の転換だ」と話す。

 障害物を認識して避けたり、呼ぶと近づいてくる機能を備えることも可能という。民間企業と提携し、1年後をめどに1台50万円程度で量産を目指す。【下桐実雅子】

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