6月18日15時9分配信 京都新聞
1歳までの乳児の事故はベッドなどからの転落が最も多く、動きの少ない3カ月未満でも油断できない―。「京(みやこ)あんしんこども館」(京都市中京区)が実施中の調査で、乳幼児事故の一端が明らかになった。「不慮の事故」は、子どもの死亡原因1位。窒息など命にかかわる可能性が高いケースもあり、「一層の注意を」と保護者に呼び掛けている。
今回のまとめは、2007年度生まれの乳児分。保護者347人から回答を得た(有効回答327人)。「事故が起きた」は、64・2%(210人)で350件。複数回の経験者が多く、2回以上が70%弱、3回以上も14・2%だった。
内訳は転落が46・3%で、次いで誤飲、転倒、衝突、やけど。転落での骨折も2件あった。月齢別では、つかまり立ち、ハイハイで行動範囲が広がる8~11カ月が62%を占めた。3カ月までも6・6%あり、この時期ではベッドからの転落が半数以上に上った。
「セロハンをのどの奥に詰まらせた」(5カ月)「スタンドの電気コードを首に巻いていた」(10カ月)など窒息の危険があった例が9件、風呂の湯船に落ちて溺水(できすい)の危険があった例も4件あった。
同館の澤田淳センター長は「死亡例はないが、その可能性があったのが13件。予想外に多い。動きの少ない3カ月未満でも『ちょっとだけ』とソファに寝かせず、ベビーベッドに柵をしてほしい。注意すれば防げる事例も少なくない」と話している。
より具体的で効果のある予防策につなげるため、同館は京都市内で07年4月1日以降生まれの乳児の保護者に対し、出生届出時に全員に配布しているはがきでの報告(1、2歳の誕生日以降)を呼びかけている。