2月27日9時44分配信 日刊スポーツ
主に60~70年代に活躍した人気プロレスラーで「AWAの帝王」と呼ばれたバーン・ガニア氏(83=米国)が養護施設内のトラブルで殺人の疑いを持たれていると、25日付の米ミネソタ州の地元紙などが報じた。報道によると、97歳で死亡した男性の遺族が、ガニア氏に床に投げつけられたのが原因と証言。当時、男性とガニア氏はともに認知症の治療中だった。逮捕には至っていないが、かつての名レスラーのスキャンダルに波紋が広がっている。
かつて日本や米国のマットで活躍したガニア氏に大スキャンダルが浮上した。今月18日には米テレビが「伝説のレスラーが殺人の疑いを持たれている」と伝え、25日にミネソタ州の地元紙スタートリビューンなども同様の疑惑を掲載した。報道によると、1月26日に施設内で97歳の男性が転倒し、右の臀部(でんぶ)などを強打し骨折。合併症で今月14日に死亡した。遺族はガニア氏が男性を床に投げつけたと証言しているという。
関係者によると、死亡した男性、ガニア氏とも当時は認知症の治療中だったという。ガニア氏は周囲に「知らない」と語り、男性の死亡との関連を否定。逮捕には至っていないが、警察では殺人罪が適用できるか調べている。
ガニア氏はミネソタ大時代はアマレスで活躍し、48年ロンドン五輪にも出場した。49年、ミネアポリス地区のプロモーターに誘われてプロレスデビュー。51年には当時世界最大のプロレス団体NWA世界ジュニアヘビー級王座に就くなど、“鉄人”ルー・テーズと並ぶ活躍を見せた。
だが世界的に最も権威があった同ヘビー級王座への挑戦権が与えられず、NWAを脱退。60年8月にAWAを設立し、古巣に対抗する勢力を築いた。
その後全日本プロレスと業務提携し、来日してジャイアント馬場、ジャンボ鶴田らとも戦った。後進の育成にもあたり、ハルク・ホーガンやリック・フレアーら大物レスラーを育てた。91年にAWAは崩壊。近年はミネアポリス郊外で隠居生活を送っていた。