2月26日8時3分配信 サンケイスポーツ
守りの達人からエキス注入-。阪神・新井貴浩内野手(31)が25日、紅白戦の雨天中止を受け、久慈照嘉内野守備走塁コーチ(39)との特守に挑んだ。逆シングル捕球-グラブトスを繰り返すこと50分。三塁手でのゴールデングラブ賞を目指す男が快汗を流した。
送球しようと踏ん張った際に右足が滑った。今度は捕球した直後に左足が流れた。2度の転倒に真弓監督は「無理せんでええぞ」-。返答は、これしかない。「大丈夫です」。安芸Dに熱気が充満した。
「(広島時代から)足がそろうクセがあるし、練習するしかない。徹底してやるということです」
紅白戦の雨天中止を受け、特守を願い出た。ノッカーは名遊撃手だった久慈コーチ。ただ受けるだけではない。全て逆シングル。そして、そのままグラブトス。三塁手のセンスが最も問われ、最も観客を沸かせる三塁線への強烈な打球を想定して、特訓が行われた。
「(捕球の)形が悪いから。グラブが寝ていたので、立てるようにしないと。コツさえつかめばできるようになる。三塁は逆シングルの打球が多い。送球することを考えたら、(三塁線は)正面で捕るよりも、逆シングルの方がいい。三塁手の見せ場だからね。本人も分かっているよ」。
久慈コーチが練習方法について説明した。新井は、きまじめな性格からか、どんな当たりでも正面で捕球することを心掛けた。当然、グラブの動きは「上から下へ」。それでは安定した送球ができない。「下から! 下から!」。首脳陣のゲキがキーワードだった。
一塁に入った昨季はプロ10年目で初のゴールデングラブ賞を受賞。今季は三塁手として戴冠を目指す。球団では掛布氏以来となる「サードで30本塁打&守備のタイトル」を視野に入れているだけに、本人も必死だ。
紅白戦は、26日に順延となり、白組の「4番・三塁」で出場。「いい練習ができたと思う」。水入りとなっても時間をムダにしない。特訓を続け、ホットコーナーが似合う男になってみせる。