高齢者の転倒防止にWiiの効果を検証へ 英チーム

2月15日19時48分配信 CNN.co.jp

ロンドン(CNN) 高齢者に多い転倒事故を防ぐため、任天堂のゲーム機「Wii(ウィー)」を使った平衡感覚の訓練を実施して効果を検証する研究に、英保健省の専門家らが取り組んでいる。Wiiはすでに高齢者施設などで、心身の健康維持に活用されている。

研究には、スコットランドのアバディーン大などが参加。70歳以上の高齢者が、板状のコントローラー「バランスWiiボード」に乗って体を動かすゲームソフト「Wii Fit(フィット)」を定期的に使用した場合、平衡感覚などが向上するかどうかを、今後4カ月間かけて調べる。

研究計画を立案した保健省のアリソン・スチュワート博士は、アバディーン大学で骨粗しょう症の研究に取り組んだ際、高齢者が転倒して骨折するケースがいかに多いかを実感。平衡感覚を向上させる訓練が必要だと考え、これを新たなテーマに選んだという。同博士はCNNとのインタビューで、「平衡感覚の訓練に使われる専用の医療機器もあるが、高価すぎて研究費が足りなかった。Wiiにはこの機器とよく似た機能があり、価格も高くない。しかも、楽しんで続けられるというのは大きな長所だ」と説明。研究の成果に期待を示した。

Wiiの効用をめぐっては、オーストラリアのサザンクロス大で最近、パーキンソン病の患者ら7人を対象にした予備研究が実施された。ほぼ毎日Wiiを使い、筋力や体の動きに改善がみられるかどうかを調べた結果、「効果あり」と判定されている。同大では今後、対象をさらに拡大して研究を進める方針だ。

一方、英国内20カ所以上に老人ホームを展開するヘレン・マカードル・ケアは、すでにWiiの導入を積極的に進め、入所者から好評を得ている。同社によると、「若いころスポーツマンだったのに、今は車椅子の生活になってしまった」「孫やひ孫と共通の楽しみを持ちたい」など、それぞれの事情や希望に応じて、多くの高齢者がゲームを楽しんでいるという。

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