12月9日21時45分配信 読売新聞
自民党と公明党の与党税制協議会は9日、2009年度税制改正大綱の骨格を固めた。
住宅の省エネルギー化やバリアフリー化を促進するリフォーム減税、耐震性や耐久性などで一定基準を満たした高品質住宅である「200年住宅」の建築費用に対する減税などを盛り込んだ。過去最大規模の住宅ローン減税も行う。一般住宅は10年間で最大500万円、「200年住宅」は同600万円の減税で、所得税に加えて住民税も対象にする。たばこ税の引き上げ問題や自動車重量税の軽減税率の適用車種など積み残した論点を詰め、12日に決定する。
リフォーム減税では、住宅の省エネ化などの改修工事について、標準的な工事費用と実際の工事費用のうち少ない方の額の10%を所得税額から差し引く。天井や壁、床の断熱工事、住宅内の段差をなくす工事などが対象。10年末までの時限的措置とする。「200年住宅」では、一般住宅の建築費用より割高になる分(最大1000万円)の10%を所得税額から差し引く制度を創設する。
中小企業の後継者に対する相続を円滑にするため、相続税額の計算方法も改める。政府は10月から、中小企業の後継者の相続時の税負担を軽減するため、後継者が相続する会社の株式に対する相続税額の8割の納税を事業の継続などを条件に猶予する制度を導入した。
しかし、事業を引き継がない相続人まで相続税が軽減される点が不公平だとする批判があった。このため、遺産総額から8割の猶予額を差し引かずに相続人全員の相続税額を決定し、その後、後継者のみ相続税額から8割を猶予する制度を導入する。
道路関連では、自民党は低燃費車の新車購入時に限って、自動車重量税と自動車取得税の暫定税率の適用を2年間凍結する減税策を盛り込むよう求めた。景気悪化で低迷している自動車販売のテコ入れを狙う。ただ、公明党には対象を新車に限定しないよう求める意見もあり、調整を続ける。