那覇空港新滑走路、沖合2案に

12月9日16時5分配信 琉球新報

 県と沖縄総合事務局、国土交通省大阪航空局でつくる那覇空港構想・施設計画検討協議会は9日午前、県庁で第2回会合を開いた。那覇空港の新たな滑走路増設案の候補について、現滑走路から1310メートル沖合に建設する案と850メートル沖合の案の2案に絞り込んだ。
 絞り込みを受け、2案について県民の意見を聞く構想段階PI(パブリックインボルブメント)を15日から来年3月までの日程で実施。PIの結果を踏まえ、年度内に増設案を一つに決定する。両案ともピーク時の最大発着回数は1日あたり509回まで拡大し、2030年度までの需要に対応可能としている。
 1310メートル案は概算工期は約7年、事業費は約1900億円。当面はターミナルの展開用地(50ヘクタール)の確保を見送ったため、大嶺崎の埋め立ては生じず、瀬長島の改変もない。地上走行距離は約3000メートル。
 環境面での総合評価では「サンゴ礁生態系への直接的影響は大きい。サンゴ着床促進など実績のある方策により影響低減の可能性がある」と指摘した。
 850メートル案は概算工期が8年、事業費は約2000億円。瀬長島の改変を回避する目的で沖合北側の水深が深い海域に建設するため、事業費が高い。地上走行距離は2100メートルと短い。
 環境面では大嶺崎周辺区域の埋め立てが生じるほか、「海流が閉鎖的となり、底質変化に伴う大嶺崎南側の干潟生態系への影響が懸念される」と指摘した。

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