京都市都市計画局は、2007年度の分譲マンション実態調査結果をまとめた。管理状況は改善傾向にあるが、築年数の古いマンションや戸数の少ないマンションに管理の悪化につながる要素がみられるとしたほか、耐震性の向上やバリアフリーのための改修は進んでいないことなどが分かった。
調査は同市の分譲マンションの全数把握調査、管理状況などアンケート調査、ヒアリング調査を実施。管理組合向けアンケートは1,414管理組合のうち339管理組合から回収し、回収率は24%。居住者向けアンケートはマンションごとに抽出した一定数の居住者5,414人のうち1,166人から回答があり、回収率は21.5%。ヒアリング調査は64管理組合と管理会社、マンション管理士など専門家33人から聞いた。調査業務はNPO法人集合住宅改善センターが担当した。
主な調査結果は次の通り。
【分譲マンション総数】
京都市内の分譲マンションの総数は1,414管理組合で、前回(2000年)調査と比べ約270の増加。築年数別では10年未満が448(31.7%)、10~19年が481(34%)、20~29年が350(24.8%)、30年以上が135(9.5%)
【マンション管理状況】
「長期修繕計画がある」「総会を年1回以上開催」などで前回調査から改善した。一方で「賃貸率」「空室率」が増え、ヒアリング調査でも管理運営への無関心さや管理会社への依存など管理組合主体の管理への意欲が低いマンションがみられるなど、管理状況の悪化も懸念される
【耐震性の向上】
耐震性調査の実績または計画があるマンションは全体で31.8%、旧耐震の1980年以前のマンションでも19.5%。必要性は感じているものの、調査未実施が大半で耐震性があるかどうか把握しているマンション自体が少ない
【バリアフリー改修】
築30年以上で共用部に段差があるマンションは49.1%、このうち改修の予定があるのは23.1%。築年数の経過したマンションを中心に改修は進んでいるが、予定のないマンションも多い
【建て替え実施・検討状況】
具体的に建て替えを検討しているマンションはなかった。「まったく検討していない」が79.9%あり、「改修工事で対応」は15.4%
【将来への不安】
「建物・設備の老朽化」が69.5%で1位。ほか「居住者の高齢化」「大規模修繕工事の実施」「管理組合運営への無関心入居者の増加」と続いた
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事なかれ主義、対岸の火事といった感じなのでしょうか・・・・・