経済産業省は、23日の自由民主党中小企業調査会で、改正建築基準法の製造業への影響について説明した。それによると、1~2月は住宅着工の減少幅が改善傾向にあり、全体的に持ち直しつつあるものの、鉄鋼やセメントといった素材などの川上業界では出荷・生産への影響が継続。「回復の見通しが立っていない状況」としている。また、着工の影響にタイムラグがある住宅設備などの川下業界でも、ここにきて影響が本格化。一部では、建築確認の遅れが工場の増改築にも及び、製品の生産現場に影響が出ているという。
経産省によると、改正建築基準法の施行以来、セメント・鉄鋼などの素材業界では昨年8月ごろから影響が本格化し、現在も続いている。
小形棒鋼をはじめとする建築向け鋼材は、減産による調整の結果、足下在庫水準は改善しつつあるものの、依然需要の戻りが遅く、鋼材メーカーでは4~6月期も減産が続く見込み。今後の見通しについては、回復のスピードが鈍化していることや、先行指標である建築確認申請・認定件数も伸び悩んでいることから「需要環境改善の動きは依然として鈍い」とみている。
2月のセメント国内出荷量は前年比マイナス6・1%となり、07年6月から9カ月連続の前年割れ。着工統計によると、セメント需要に大きく影響するマンションの着工件数が、1月に引き続き2月も前年比約10%減で推移。着工は回復基調にあるものの出荷状況に影響を及ぼしていない。
業界からは「鋼材など建材の値上がりが影響し、実需そのものが減少している可能性もある」「基礎杭業界から7月以降の発注が増えてきたとの話を聞いている。9月以降に法改正以前の水準に回復することを期待している」といった声が挙がっている。
キッチンなどの水回りやカーテン、家具、カーペットなど、着工からタイムラグがある業界では影響が今後本格化する。集合住宅向けの設備(水回り)については、「受注、出荷から売り上げまでの期間が長く、出荷への影響は08年度に最大となり、売り上げに対して09年度まで影響が残る」とみている。
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本当に厳しい状況ではありますが、皆さんがんばりましょう!