1日午後11時20分頃、最上町向町の書店兼住宅から「けんかで、弟を死なせてしまった」と110番があった。新庄署員が駆け付けたところ、無職佐藤孝宏さん(36)が1階書店で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は頭蓋(ずがい)内損傷。同署は2日、兄の会社員、俊之容疑者(39)を傷害の疑いで緊急逮捕した。同署は、俊之容疑者を傷害致死容疑も視野に入れて調べている。
発表によると、俊之容疑者は1日午後10時20分~同11時20分頃、孝宏さんを転倒させて頭部をコンクリートの床に強く打ち付けるなどの暴行を加えて、くも膜下出血などを負わせた疑い。俊之容疑者も顔を切るなどの軽傷を負った。
俊之容疑者は「弟の生活態度を注意するうちに、取っ組み合いのけんかになった」と供述しているという。
県警などによると、結婚して同町外に住んでいた孝宏さんは先月、実家に戻っていた。行方が分からなくなるなどし、県警に2回保護されたこともあった。住民によると、最近、俊之容疑者宅からは「ちゃんとしろ」と、大きな声も聞こえてきたという。
俊之容疑者は、4日に地元で行われる仮装行列の練習に家族と参加していたといい、自営業男性(56)は「哲学の本を紹介してくれたり、地域の集まりで筋を通したり信頼できる人。家庭の問題で苦労していたかもしれないが愚痴は言わなかった」と声を落としていた。
(2010年9月3日 読売新聞)