「ヤクルト8-4阪神」(27日、神宮)
守り切れずに散ったと言っていい。阪神・フォッサムが2試合連続KO。リリーフ陣も失点を重ねた。拙(まず)い守備もあった。5月26、27日の西武戦(甲子園)以来、1カ月ぶりに喫した連敗。肩を落として帰路に就く首脳陣、選手たちに向かって、三塁側スタンドを埋めた虎党からも熱く、厳しい言葉が飛び交った。
「こういうもつれた試合を拾っていかないとね」
真弓監督の声も沈んだ。新井、ブラゼルの連続適時打で同点に追い付きながら、直後に許した勝ち越し点が何より悔やまれる。五回2死一、三塁だ。ホワイトセルが打ち上げた左翼線への飛球。打ち取った当たりだったが、深めに守っていたレフト林が追い付けず、さらに転々とする打球を追った際に転倒して、2点三塁打となった。
「こっちにはツイてない打球。まだ打球方向ははっきり出ていない。守りにくかった面もある」。指揮官が振り返ったように、新加入のホワイトセルの打球傾向を読めない不運も確かにあった。好調だった打線も2試合連続1ケタ安打。リーグ戦再開から横浜、広島、ヤクルトの下位球団を相手に4勝3敗は、ある意味で誤算とも言える。
次は中日、巨人との6連戦が待ち受ける。頂点を目指す上で一つの正念場ともなる。「もう1回、しっかり整備していきたい」と真弓監督。打ち込まれたリリーフ陣の再構築を図り、守りも引き締め直して、必ず「上位対決」を制したい。