被告が起訴内容認め量刑争点に 県内5件目裁判員裁判

強制わいせつ致傷罪を審理する裁判員裁判の初公判が16日、長崎地裁(松尾嘉倫裁判長)であり、裁判員6人(男性1、女性5)が裁判官とともに審理に臨んだ。県内の裁判員裁判は5件目。判決は18日。

 審理対象は住所不定、自営業、大石等被告(39)が昨年9月2日、女性会社員=当時(37)=に平戸市内の路上で抱き付いて転倒させ、胸を触るなどのわいせつな行為をし、顔などに約1週間のけがを負わせたとされる事件。被告は起訴内容を認めたため争点は量刑となった。

 検察側は冒頭陳述で「被告は昨年3月に同棲(どうせい)していた女性と別れ、性的に欲求不満の状態だった」と動機を説明。被害者の抵抗や懇願を無視し犯行を続けたとして「手口は卑劣で悪質。被害者は厳しい処罰を望んでおり、再犯の恐れも否定できない」と述べた。

 一方、弁護側は冒頭陳述で「計画性のない偶発的犯行」と主張。▽着衣の上からの行為▽被害者のけがは加療約1週間-などとして「ほかの(同種)事案と比べ悪質で、結果が重大かどうかという点に注目してほしい」と裁判員らに呼び掛け、執行猶予判決を求めた。

 初公判に先立つ選任手続きには出席義務のある裁判員候補者47人のうち、40人が出席。出席率は85%。

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