名古屋市南区の名古屋鉄道の踏切で21日午前10時ごろ、同区の無職森田秀雄さん(91)と妻喜三子さん(84)が名古屋本線の普通電車にはねられ、死亡した。運転士の話などから、踏切内で1人が転倒、もう1人が助け起こそうとしたところに電車が来て、はねられたとみられ、南署が詳しい状況を調べている。踏切には遮断機と警報機があり、名古屋鉄道によると、いずれも正常に作動していた。運転士が踏切内にいる2人に気付き、ブレーキをかけたが間に合わなかった。
夫妻は2人暮らしで、最近はほとんど目が見えなかったという秀雄さんに喜三子さんが付き添い、かかりつけの眼科から歩いて帰宅途中だった。自宅まであと100メートル。近所に住む女性は「“孫が結婚する”と楽しみにしていたのに2人一緒に亡くなってしまうなんて」と言葉を詰まらせた。