11月のアジア大会(中国・広州)代表選考会を兼ねた大阪国際女子マラソンは31日、大阪市の長居陸上競技場発着のコースで行われ、27歳のアマネ・ゴベナ(エチオピア)が2時間25分14秒で初優勝を果たした。30秒差の2位がマリサ・バロス(ポルトガル)で、34歳の小崎まり(ノーリツ)が2時間26分27秒で日本勢最高の3位に入った。
シドニー五輪銀メダリストのリディア・シモン(ルーマニア)は4位。引退レースとなった38歳の小幡佳代子(アコム)が5位で、初マラソンの木崎良子(ダイハツ)は6位だった。左ひざ故障の影響が懸念された赤羽有紀子(ホクレン)は39キロ手前で途中棄権した。
前半ハイペースとなった雨中のレースは、27キロ付近で赤羽、30キロすぎに小崎が後退。終盤にゴベナがバロスとの一騎打ちを制した。
◆冷たい雨 我慢の走り
冷たい雨が容赦なく故障した左脚を打ち付けた。「何度も『大丈夫や、大丈夫』と自分に言い聞かせた」。マラソンの練習を1カ月前に再開したばかりの小崎が、我慢の走りで日本人トップの3位に食い込んだ。
序盤は5キロ16分台後半のハイペースな展開。小崎は「30キロまでは連れて行って」と先頭集団の後方につき、トップの赤羽にブレーキがかかった27キロ付近で順位を3位に上げた。途中から雨脚が強まり、「太もも全体が冷えて脚が上がらなくなった」。35キロ付近で前の海外2選手と差が開きだしたが、最後まであきらめずに追い掛けた。
昨年10月、全日本実業団女子駅伝の試走中に転倒。左ひざを痛め、同12月の会見では「今回は見合わす状況」と弱気も。しかし年末に練習を再開すると、短い期間に1300キロを走り込み、間に合わせてきた。
社会人14年目の34歳。これまでトラックに軸足を置いたが、今後は海外のロードレースに挑戦するという。「最後の5キロは今までで最悪の走り」。敗戦の悔しさを糧に、ベテランは前を向いた。 (松山義明)