3月6日17時3分配信 毎日新聞
◇裁判員6人、熱心に被告に質問
5月から始まる裁判員制度を前に金沢地裁で5日、同地裁では最後となる模擬裁判が開かれた。一般市民も参加する模擬裁判は今回で6回目。傷害致死事件を想定し3日間の予定で行われ、この日は2日目。冒頭陳述から論告求刑、評議までが行われた。
想定しているのは、会社の上司の言葉に腹を立てた男性被告が上司の顔を殴ったところ、上司は転倒して後頭部を床に打ちつけ、外傷性くも膜下出血で死亡した--という事件だ。
選任手続きを経て選ばれた6人の裁判員は熱心に被告に質問。「殴られた上司がバランスを崩した時、支える気は起きなかったのか」「殴ったらどのような結果になると考えていたか」。男性被告が答えると、顔をまっすぐに見つめ、真剣な表情で話を聞いていた。
論告で検察官は懲役5年を求刑。モニターを使って理由を分かりやすく説明した。一方、弁護人は証言台の前で被告と遺族の間で示談が成立していることなどを説明し、執行猶予付きの判決を求めた。
その後、裁判員と裁判官は場所を移して評議に入り、事実関係の確認などを行った。判決は6日に言い渡される。【澤本麻里子】