2月4日8時1分配信 スポーツ報知
【バンクーバー(カナダ)2日】2010年バンクーバー五輪フィギュアスケートのプレ大会を兼ねた四大陸選手権(4日開幕)で使用されるリンク規格が、五輪仕様ではなかったことが2日、判明した。同日、会場となるパシフィック・コロシアム入りした浅田真央(18)=中京大中京高=らが練習したが、リンクサイズがアイスホッケー仕様に合わされ、横幅が4メートルも狭く違和感を感じる選手が続出。不測の事態に、浅田真らは演技構成の変更も出そうな感じだ。
期待大外れのリンクだった。1年後の夢舞台を思い描く日本勢にとって、五輪仕様と思われていたリンクが何とアイスホッケーのサイズ。五輪規格の横30メートル×縦60メートルに対し縦は1メートル長く、逆に横幅は4メートルも狭かった。国際連盟が定める26メートル×56メートル以上はクリアされているものの、いつもと違う感覚に選手に動揺が広がった。
事前に知っていた真央でさえ「縦長で横がすごい狭い。何回かぶつかりそうになった」と困り顔。滑走直前に知らされた織田信成(21)=関大=は距離感がつかめず、壁と2度接触。同所で4度も派手に転倒した。競技会場のパシフィック・コロシアムは、NHL下部リーグのバンクーバー・ジャイアンツのホーム。同チームがシーズン中のためリンクの未改装を公に告知せず、プレ五輪を強行したため混乱が発生した。
吉岡伸彦フィギュア強化部長が「リンクの形が違えば、ジャンプに入るまでの滑るコースは変わってくる」と不安視。この状況に真央は「演技を始める場所を変えたい。プログラムも少し簡単なものを考えないと」と、2回入れるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を1回に減らすなどを検討せざるを得なくなった。
会場の日程が詰まっているため、五輪前の本番会場での滑走は今回が最初で最後。秋に五輪リンクへの改装が見込まれるため、日本連盟では同時期に代表合宿を現地で組む予定で、大会組織委員会にもリンク使用を直訴する構えだ。肩すかしを食らった格好だが、日本連盟関係者は「会場の雰囲気を経験してるのとないのでは大違い。その収穫があっただけでもいい」と前向き。真央も「次の世界選手権(3月・米ロサンゼルス)に向けての一歩にしたい」と、気持ちを切り替えた。