国交省 JIS規格不適合生コン問題 神奈川県内5物件で建築基準法違反

 六会コンクリート(神奈川県藤沢市)がJIS規格に適合しない生コンを出荷していた問題で、国土交通省は16日、神奈川県内のマンションや老人保健施設など計5物件で建築基準法違反があったと発表した。8日の発表分と合わせ7物件で違反が判明したことになる。国交省によると「問題の生コンは300カ所以上に出荷されている可能性がある」という。こうした事態を重くみて、国交省は特定行政庁への技術支援を目的とする検討委員会を設置し、18日に初会合を開くことを決めた。
 今回、違反が判明した物件の内訳は横浜市内が3物件、鎌倉市内が1物件、茅ヶ崎市内が1物件。茅ヶ崎市内の物件は完成済みで、そのほかの4物件は工事を停止している。いずれの物件も強度自体には問題がないという。
 国交省が設置を決めた「JIS規格不適合コンクリートを使用した建築物の対策技術検討委員会」(委員長・桝田佳寛宇都宮大学教授)では、溶融スラグ骨材を混入させたコンクリートの耐久性や構造安全性、補修方法について検討する。これを踏まえ、国交省が当面の是正方針について特定行政庁に技術的助言を行う見込みだ。
 六会コンクリート(神奈川県藤沢市)は、JISでは認められない溶融スラグ骨材を使用した生コン(レディーミクストコンクリート)をJIS製品として出荷していた。建築基準法では、構造耐力上主要な部分について、JIS規格への適合、または大臣認定を受けたコンクリートを用いるよう定めている。

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