日建連、技能者の実態調査、入職しない理由は「収入の低さ」

日本建設業団体連合会(日建連、梅田貞夫会長)がまとめた建設技能労働者に関する実態調査の報告書によると、若年者が建設業に入職しない理由、離職する理由で最も多かった答えは「収入の低さ」だった。報告書では「若年者の入職率・定着率を向上させなければ慢性的な労働者不足に陥る」との危機感を示すとともに、低賃金問題の改善方策として「技能労働者の多能工化」「専門工事業者のグループ化」などを例示している。
 技能者の過不足の問題について、「過去は建設投資額が増えると技能者の不足率が上昇し、それに伴って賃金が上昇、入職者も増えて需給調整が進んだ」と分析。逆に建設投資額が減ると逆の動きが起こり、その中でも需給調整のメカニズムが働いたとしている。だが近年は「技能労働者が不足しているにもかかわらず、賃金が減少する低賃金化が進んでいる」とし、今後「原因の解明とともに有効な対策が求められる」と指摘している。
 建設技能労働者の賃金実態を調べた厚生労働省の「平成16年屋外労働者職種別賃金調査報告」によると、常用技能労働者(21職種計、平均年齢42・8歳)の平均年収額は約361万円。企業規模別では、300人以上の企業が年収約474万円、100~299人の企業が約408万円、5~99人の企業が約350万円となっている。このうち、5~99人の企業の労働者数が全体の約9割を占めている。
 職種別に見ると、土工の常用労働者の平均年間賃金は、事業所規模10~99人で333万8000円、鉄筋工は同361万3000円、左官は同361万5000円、大工は同397万2000円といずれも400万円に満たない。一方で、製造業の自動車組立工全体の平均年間賃金は497万6000円となっている。
 報告書では、低賃金問題改善の手段の一つとして「技能労働者の多能工化」を示した。技能労働の細分化・専業化は、施工スピードの向上に効果があり、工期短縮によるコスト縮減に結び付くが、段取り替えが多くなることによって全体の管理コストの増大を招くのが実情だ。そのため、多能工化によって全体のコストを増やさず、技能動労者の実労働時間を増やすことで年収増に結び付けようというもの。
 例えば維持修繕工事では、新築工事に比べて1現場の工事量が少なく多工種にわたるため、「多能工の活用が効果的」だと提案している。
 さらに、「土工・型枠工・鉄筋工・コンクリート打設のように、関連する複数の専門工事業者がグループ化すると、グループ内での技能労働者の多能工化が容易になり、グループ企業にとっては効率的な労働調達が可能となるほか、技能労働者の年収増にもつながる」としている。
 日建連では、こうした実態調査を基に「発注者やゼネコン、専門工事業者向けに、技能労働者の確保や待遇の改善に役立つ提言を年度内にまとめたい」と話している。

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今の不況というのは、建設業界だけではないでしょうけど厳しいですね。

特に建設業に多い中小企業にとっては死活問題です。

仕事が少ない、請負う仕事があっても単価が安い、仕事をこなしても赤字の出るような状況が多く、しわ寄せとして労働者の賃金を下げざるを得ない、消費が進まないという悪循環です。

早くこの不況から脱出して欲しいですね。

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