落雷、高松など1万世帯停電 県内各地に被害

 前線に暖かく湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になった影響で、県内は23日朝、局地的に強い雨と風に見舞われた。綾川町では突風が吹いて住宅など8棟に被害が出た。落雷も発生し、善通寺市などで住宅2棟が一部焼け、高松市などの約1万世帯が最長6時間停電した。

 綾川町役場に午前7時45分ごろ、突風で家屋に被害が出たと同町陶の住民から通報があった。同町によると、住宅など8棟で屋根瓦が飛ばされたり、窓ガラスが割れたりするなどの被害が出た。様子を見に外へ出た70代の男性1人が風にあおられて転倒し、頭に軽いけがをしたという。

 同町陶の山口妙子さん(76)方は納屋が損壊し、母屋の窓ガラスが割れ、屋根の瓦が飛んだ。山口さんは「朝から風と雨は強かったが、午前7時ごろに外が真っ黒になってものすごい風が襲ってきた。家がひっくり返るかと思った。窓ガラスが一気に割れて土や木が室内に入ってきた」と当時の様子を話した。

 高松地方気象台は竜巻が発生した可能性もあるとみて、現地調査をした。同気象台によると、同町滝宮で午前6時50分~同7時ごろに最大瞬間風速20メートルを記録。同気象台は同6時50分までに2回、竜巻注意情報を出した。

 善通寺市原田町の住宅付近から午前7時ごろ出火、2階建て住宅の天井裏約3平方メートルが焼けた。善通寺署は落雷で電気系統から出火したのではないかとみて調べている。ほぼ同時刻に観音寺市粟井町の2階建ての店舗兼住宅でも屋根裏の電気配線の周辺約1平方メートルが焼ける火災が起き、観音寺署が落雷が原因ではないかとみて調べている。

 落雷によると見られる停電が午前6時半過ぎから発生し、四国電力によると、高松市や三豊市、綾川町など4市2町の計1万世帯余りが1時間半~6時間停電した。同気象台はこの日、県内全域に雷注意報を出していた。

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