◆裁判員裁判で地裁◆
今年2月、金沢市内の民家で男性に現金を要求し、けがをさせたとして、強盗致傷などの罪に問われた金沢市二口町の無職稲田吉孝被告(65)に対する裁判員裁判の判決公判が8日、金沢地裁であり、神坂尚裁判長は懲役4年(求刑懲役6年)を言い渡した。
神坂裁判長は「準備した包丁を用いるなど、犯行は危険かつ悪質」と指摘。弁護側の「金品を奪っていない」という主張を考慮しつつ、「ギャンブルによる借金を返済するために犯行を起こした点に酌量の余地はない」とした。
判決によると、稲田被告は2月12日、同市内の知人男性(当時69)方で男性に包丁を突き付けて現金を要求。男性は逃げた際に転倒し、両足などに軽傷を負ったとされる。
閉廷後、記者会見に応じた60代の男性裁判員は「包丁を持っていたが、直接傷を負わせておらず、量刑に悩んだ」と話した。
(黒田壮吉)