昨年、1020人景気悪化が影響か
昨年の労働災害による県内死傷者は1020人で過去最少だったことが、山形労働局のまとめで分かった。製造業や建設業で大きな減少となっており、同労働局は「企業の安全対策が浸透したことに加え、リーマンショックによる景気悪化で仕事そのものが減ったのも要因ではないか」と分析している。
同労働局安全衛生課によると、労災事故による死者は前年比6人減の10人、4日以上休んだ負傷者は同189人減の1010人で、統計が残る1958年以降で最も少なかった。
業種別では、製造業が256人(前年比99人減)、建設業が179人(同44人減)と減少幅が大きかった。
主な原因の内訳は、転倒(220件)、墜落・転落(177件)、はさまれ・巻き込まれ(126件)などとなっている。
業種別で高い割合を占めてきた製造、建設業が不景気などの要因で減少する一方、商業など第三次産業は高止まりする傾向にあるという。
同課は、「景気悪化に加え、長期的な観点からは、軽微な事故でも危険性を分析する取り組みが浸透してきたことも要因しているのでは」と分析している。
(2010年8月15日 読売新聞)